東京ドキュメンタリー映画祭2018
東京ドキュメンタリー映画祭上映作品 > 記録映像によるアート

上映作品

短編2記録映像によるアート

11月30日(土)16:00〜上映

日本とインドの路上において、ヴィデオカメラを使ったコンセプチュアルな社会実験をおこなうトモトシの2編。古い写真から想起されたストーリーが物語られる『旅のあとの記録』と、「夢十夜」を思わせるアニメーション作品『ユメみばなにうつつ』。少年犯罪の起きたニュータウンで「風景論」的な映画を実践する『ANIMA』など、アート的なアプローチで撮られたドキュメンタリー作品を特集する。

  • 美しくあいまいな日本の私たち
    美しくあいまいな日本の私たち
  • 美しくあいまいな日本の私たち 上映時間18分

    <監督より> 僕は東京が大好きだ。この都市には無数の人がいて、無数のルールがあるからだ。映像内に出てくる僕は、場所のルールを一瞬だけハックするようなアクションをする。僕が去ったあと、何事もなかったように、東京はいつもの東京に戻る。東京っていい街だと思う。

    2019年/17分

  • THE NEVERENDING CEREMONY 上映時間11分

    バラナシ(インド)には年間100万を越えるヒンドゥー教徒の巡礼が訪れ、なかにはここで死ぬことを目的にする人さえいる。 そんな街バラナシに無数に点在するマンディール(ヒンドゥー教寺院)を見つけるたび、僕はお祈りをすることにした。 現地で買った黄色いスカーフ、麻のパンツ、数珠とビンディ(額の模様)を身にまとった。 観光客としての僕は、現地人を装いお祈りする自身の姿をカメラで録画した。 この映像は、いろいろな形で妨げられたお祈りの記録である。

    2019年/11分

監督プロフィール

  • トモトシ
  • トモトシ
    1983年山口県出身、現在は東京を拠点に活動。豊橋技術科学大学を卒業後、10年にわたって建築設計に携わる。2014年より映像、インスタレーション、パフォーマンス作品を発表。近年は「都市空間や公共ルールに歪みを生むアクションを行い、そのリアクションを含めた振る舞いを記録する」ことで制作をしている。
  • ユメみばなにうつつ 上映時間10分

    富士登山の体験をもとにしたセルフドキュメンタリーアニメーション。富士山に登る者と残された者との距離感や、そこにまつわる人間関係を表現した。

    2019年/10分

監督プロフィール

  • 増田優太
  • 増田優太
    1996年、静岡県生まれ。名古屋学芸大学映像メディア学科を卒業。現在、東京藝術大学アニメーション専攻に在籍。アニメーションや演劇作品を制作している。
  • 旅のあとの記録 上映時間16分

    <監督より>
    古道具屋で売られていた、所収者も撮影者も分からない大量のコダックのポジフィルム。
    これらの写真は、捨てられた記憶と呼べるものかもしれません。
    または、思い出されることのない記憶、と言い換えることもできるかもしれません。
    その匿名の記録から、被写体と撮影者のたどった1961年の半年間のヨーロッパ旅行を想像し、写真について、記録することについてなど、連想に任せて自由に思い巡らしたエッセイ映画です。

    2018年/16分

監督プロフィール

  • 波田野州平
  • 波田野州平
    鳥取生まれ、東京在住。初長編映画『TRAIL』(2012)が劇場公開される。『影の由来』(2017)で東京ドキュメンタリー映画祭短編グランプリを受賞。現地調査を基に、フィクションとドキュメンタリーが渾然となった手法で、都市と辺境を往復しながら制作している。
  • ANIMA 上映時間25分

    14歳の少年が人を殺した。衝撃的な事件が起きたニュータウンで、そこに住む人々にイン タビューを決行する。それは悪戯なのか、噂話なのか、嘘なのか、本当なのかもわからな い。ニュータウンやその土壌に潜んでいる何かが現れ始め、幽かな息遣いが聴こえてくる。 「風景映画・事件三部作」シリーズ第二弾作品。

    2019年/25分

監督プロフィール

  • 宮崎渉大
  • 宮崎渉大
    1995年生まれ、東京都出身。
    京都精華大学修士課程芸術研究科映像専攻。
    松田政男の著書『風景の死滅』を参考に70年代の風景論から派生した「風景映画」について研究し、実在する事件を題材にした「風景映画・事件三部作」を現在制作中。
    報道と実験映像の関係性について考察し、新しいドキュメンタリー表現を模索する。
  • イデア 上映時間17分

    永遠に続くと思っていた関係にも、いつか終わりの時がやってくる。大切な人を胸に抱いている時。温かい生きものの息遣いを感じながら眠りにつく時。この世界には決して叶うことが無い願いがあるということを、私たちは知った。
    壊れてしまった家族の記憶と、壊れそうな家族。胸に溜まる水で呼吸もままならず、じっと死を待つ猫と共に生きる日々を綴った映画です。
    初めてフィルムではなくデジタル(Xperia)で撮影した作品です。

    2019年/17分

監督プロフィール

  • 宮崎渉大
  • 村岡由梨
    1981 年東京生まれ。日本女子大学附属高等学校中途退学、イメージフォーラム付属映像研究所卒業。一貫して「セルフポートレート」にこだわった自作自演の映像・写真作品などを制作、出演・美術・撮影などの殆どを1 人で行う。統合失調症の治療に伴い、2009 年より作家活動を 休止、2016 年本格的に再開。2 児の母。
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