東京ドキュメンタリー映画祭2018
東京ドキュメンタリー映画祭上映作品 > アカマタの歌 海南小記序説/西表島・古見

上映作品

特集1アカマタの歌 海南小記序説/西表島・古見 上映時間84分

12月2日(月)14:00〜上映

西表島古見村の豊年祭は、アカマタ・クロマタ・シロマタという仮面の来訪神が登場するが、一切の取材と研究が拒否されてきた秘祭。72年に監督らは祭祀の撮影に訪れたが「アカマタを撮ったら殺す」と拒まれた。その拒否のエネルギーの源を探るべく、カメラは17軒しかない村の家族のライフヒストリーを取材する。赤裸々な告白を含むため、長年封印されてきた映画が、今そのベールを脱ぐ。

<監督の言葉>
47 年前、沖縄の日本復帰直後1972年の夏、無謀にもこの祭祀の撮影に訪れた。しかしスタッフは「アカマタを撮ったら殺(くる)す」と激しく拒まれた。たった17軒しかない村で、よそ者をこれほど激しく拒否するエネルギーは、どこから出てくるのであろうか。村を離れ、石垣島の街や那覇、大阪、東京といった都市に移住していった人々が、このアカマタの祭りには必ず帰ってくる求心力は何なのだろうか?
島=共同体の核を探ってみたい。別にアカマタの祭りのシーンなど撮らなくてもいい、祭りの映画ではなく、島人の家族のドキュメント、それぞれのライフヒストリーを記録したいとの考えで作った映画である。撮影を嫌う古見の一軒一軒に「家族の記念写真を撮らせて下さい」と訪ねた。「記念写真」という言い方は、わりあいすんなりと受け入れられた。この映画は人々がムービーの前に立つ17軒の島の家族と、島から町(都市)へと「島の心=アカマタ精神」をかかえて島を去っていった人々とで構成する記念写真映画である。島を離れた者は、アカマタへの思いを一層強く胸に抱えて、高度成長を歩む都会で生きていた。残っている17軒の古見部落には、伝統的なアカマタを信仰する土着の人々と新興の宗教を信ずる移住者たちとの複雑な人間模様、葛藤があった。
このドキュメンタリーは、赤裸々な告白を含むため、長い間上映を封印してきたが、一つの島の時代の記録としての意味を考え、あえて公開することにした。

  • アカマタの歌 海南小記序説/西表島・古見
  • アカマタの歌 海南小記序説/西表島・古見 上映時間84分

    1973年/84分

監督プロフィール

  • 北村皆雄
  • 北村皆雄
    ドキュメンタリー映画監督。1942年長野県生まれ。早稲田大学第一文学部演劇専修卒。日本映像民俗学の会代表。早稲田大学アジア研究所招聘研究員。ヴィジュアルフォークロア代表。映像民俗・人類学。沖縄、日本、ヒマラヤなどアジアを中心に作品を作る。久高島は54年間記録を続けている。映画作品に『カベールの馬』(1969)『修験』(2005) 『ほかいびと』(2012)『冥界婚』(2018)など。著作に『俳人井月―幕末維新風狂に死す』(岩波書店)がある。