東京ドキュメンタリー映画祭2018
東京ドキュメンタリー映画祭上映作品 > とりもどす―囚われのアイヌ遺骨―

上映作品

長編3とりもどす―囚われのアイヌ遺骨― 上映時間100分

12月1日(日)12:00〜上映

  • 1930 年代、北海道大学医学部の人類学者らは、浦河、浦幌などにあったアイヌ民族の墓を掘り返し、研究目的で遺骨を持ち去った。2012 年から北大に遺骨や副葬品の返還を要求して抗議し、賠償を求めて地裁に提訴した小川隆吉さんらの活動を数年にわたって追う。集会やインタビューで当事者たちの声を丹念に集めて、遺骨を再埋葬したいと願う彼らの先祖に対する心根が少しずつ見えてくる。

    <監督の言葉>
    フリージャーナリストの平田剛士氏が2012年にYouTubeに投稿した「さまよえる遺骨たち20120217」という動画を観て「こんなひどい話があるのか。もし他人が自分の家族の骨を勝手に持っていったら、絶対にとりもどす」と思い、札幌地裁で開かれたアイヌ遺骨返還請求訴訟の第一回口頭弁論を傍聴した。そこから遺骨返還を求めるアイヌの方々や、アイヌ墓地発掘・盗掘の事実を明らかにしようとする人々のグループ、北大開示文書研究会に出会い、動画記録担当となる。最初の撮影は城野口ユリさんの講演で、その時ユリさんは即興歌「ヤイサマ」を歌った。和人に故郷から連れ出され、迫害されたアイヌ女性の歌だ。この歌が、墓地から掘り出されたアイヌ遺骨の境遇と重なることに気づき、帰還の場面にのせた。ナレーション・BGMは使わなかったが、手法にはこだわらず、歴史的な背景があるこの問題を伝える最良の方法は何かを考えて制作した。

    2019年/100分

監督プロフィール

  • 藤野知明
    1966年、札幌生まれ。ETV特集「神話に生きる民ドゴン」(構成 市岡康子/編集 鍋島淳/1996年)でオフライン編集の機会を得る。サハリンの先住民に対する日本による植民地統治に関する短編ドキュメンタリー「サハリンからの声」(1996年/21分)制作に参加。「映像で綴る現代史 封印された映画」(NHK BS/2007年)に、インドネシア映画「ROMUSHA」の監督インタビューを提供。短編ドキュメンタリー『八十五年ぶりの帰還 アイヌ遺骨 杵臼コタンへ』を監督。