東京ドキュメンタリー映画祭2018
東京ドキュメンタリー映画祭上映作品 > 辺境に生きる子どもたち

上映作品

短編5辺境に生きる子どもたち 上映時間85分

12月7日(金) 19:00上映

世界にはまだまだ過酷な環境に置かれた子どもたちが存在する。ミャンマー政府から迫害されたイスラム教徒であるロヒンギャ難民の子どものため、学校を設立しようと奮闘する在日ロヒンギャのアウンティン氏を描いた『祈りの果てに』。両親が出稼ぎで祖父母と暮らす「留守児童」のマオ・シャンチや障害を持つ両親を支えるマオ・ジョンファなど、中国の山村の子どもたちを取材した『山河の子』。どちらも険しい表情をたたえる子どもたちがふと見せる笑顔が胸を打つ。世界の矛盾を丁寧に映し出した必見の正統派ドキュメンタリー。
  •  『祈りの果てに』
     『祈りの果てに』
  • 『祈りの果てに』 上映時間28分

    2017年8月以降、70万人にも及ぶイスラム教徒のロヒンギャが迫害を受け、バングラデシュへと流入した。難民となった人々の心には、ミャンマーで体験した恐怖が刻まれている。そんな中、日本で暮らすロヒンギャの1人、アウンティンはバングラデシュの難民キャンプに学校を建設することを決意する。教育によって子どもたちが抱えたトラウマを緩和し、憎しみの連鎖を断ち切るためだ。しかしアウンティンが目の当たりにした子どもたちの心の傷は想像以上だった。肉親を殺された子どもたちが語る生々しい記憶は、やがて彼らを復讐へと導いてしまうのか。それともアウンティンの祈りが通じ、復讐の連鎖は止められるのか。終わりなき旅を行く1人のイスラム教徒の姿を描く。

    2018年/ 28分 / バングラデシュ、日本

監督プロフィール

  • 久保田徹
  • 久保田徹
    ドキュメンタリー監督、映像作家。大学1年次よりミャンマーのロヒンギャの取材を始め、2016年には自主制作した「Light up Rohingya」で国際平和映像祭で受賞。現在はYahoo!ニュースやVICEなどに映像と記事を掲載する他、ノルウェーやイギリスとの合同のプロジェクトに参加している。1996年神奈川県横浜市生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科4年。クマ財団クリエイター奨学金プログラム1-2期生。
  • 『山河の子』 上映時間57分

    ここは中国農村部の小さな小学校。
    3年生の毛勝智(マオ・シャンチ)は、お調子者でいたずらっ子。そんな彼も実は「留守児童」のひとり。家に帰ればひいおじいちゃんとひいおばあちゃんが優しく迎えてくれるけれど、お父さんとお母さんがいないのはやっぱり少し寂しそう。
    2年生の趙海龍(チャオ・ハイロン)は、妹が産まれるときに難産でお母さんを亡くしてしまった。それ以来、父親の天友(テンヨウ)が男手ひとつで子どもたちを育てている。幼い子どもたちの面倒を見なければならず、出稼ぎに行けないのが天友の悩みだ。
    毛正発(マオ・ジョンファ)は、もうすぐ卒業を迎える6年生。学校では明るい笑顔を見せる彼も、障がいのある両親と幼い妹たちとの生活はとても貧しく、家庭のことで不満や悩みを抱えている。
    そして村に夏が訪れる。
    小学校を卒業した毛正発は、街の中学校に入学するため村を離れることになる。
    しかし、村に残す小さな妹と障がいのある両親のことが気がかりで…。

    2017年/57分/カラー/日本、中国

監督プロフィール

  • 胡旭彤(コ・キョクトウ)
  • 胡旭彤(コ・キョクトウ)
    1995年生まれ、中国出身。日本映画大学に入学。2年生の時、授業でワイズマン監督の『チチカット・フォーリーズ』を観てノンフィクションの迫力を感じ、ドキュメンタリーコースに進む。安岡卓治、中村高寛、両氏に師事。卒業制作として、中国農村部の現状を描いた『山河の子』を監督。現在は、テレビドキュメンタリーの制作会社に勤務している。