東京ドキュメンタリー映画祭2018
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上映作品

特別2設立20周年!ビデオアクト選 強制不妊手術を問う

12月4日(水)10:00 上映

昨今あらためて問題となった「強制不妊手術」、「優生思想」を問いただす2作をあわせて上映。生後1週間で脳性マヒになり、20才の頃、強制不妊手術を受けさせられた佐々木千津子さんは、90年代後半から積極的に強制不妊手術の実態を語ってきた。『忘れてほしゅうない』『ここにおるんじゃけぇ』は後遺症に悩みながらも24時間介護を受け、ネコと共に自立生活をする彼女の日常、その生き方に迫る。20年間、自主制作映像の普及・流通のサポート活動等をとおし、インディペンデント・メディアの状況に変革をもたらしたビデオアクトが今こそ選ぶ注目作!
  • 『忘れてほしゅうない』
  • 『忘れてほしゅうない』 上映時間24分

    脳性マヒの佐々木千津子さんは、20才の時に卵巣に放射線照射され、不妊になった。「月経の始末が自分で出来ないものは入所出来ない」と入所先の施設に告げられ、否応なく手術を受けることになったのだ。30年以上たった今も忘れられず、精神的・肉体的な痛みや苦しみを抱えて生きている。
    1996年まで存在した優生保護法の下、障害者やハンセン病患者に対して行われてきた強制不妊手術。映画は長い間隠されてきたこの事実を解明する活動をしながら、自立した生活を送る彼女の姿を追い、この問題の本質に迫っていく。テーマは重いが、佐々木さんの愉快な人柄に思わず頬がゆるみます。

    2004年/24分/カラー/日本
    制作:優生思想を問うネットワーク

監督プロフィール

  • ビデオ・アクト
  • ビデオ・アクト
    ビデオ・アクトとは、1998年に設立された、自主映像制作者の"普及・流通"の問題を解決するために立ち上げられた。自主ビデオの普及・流通プロジェクト。流通されている作家の作品を中心に時折上映会を開催し、自主映像制作者のコミュニティー・センター的な役割も果たしている。
  • 『ここにおるんじゃけえ』 上映時間97分

    2018年1月30日、旧優生保護法下で強制不妊手術を強いられた宮城県の60代女性が、国に1100万円の支払いを求める訴訟を仙台地裁に起こした。これを契機に提訴が相次ぎ、強制不妊手術の実態に、ようやく目が向けられようとしている。
    『ここにおるんじゃけぇ』の主人公、佐々木千津子さんは、1990年代後半から積極的に強制不妊手術の実態を語ってきた。生後1週間で脳性マヒになり、20才の頃に強制不妊手術を受けさせられて以降、後遺症に悩みながらも、2013年に65歳で亡くなるまで、介助を受けながら奔放な生活を送ってきた。時々落ち込みながらも、行動したい、生きたいという強い意思を持って、介助者と的確にコミュニケートする佐々木さんの「ここにおる」日常を追ったドキュメンタリー。

    2010年/97分/カラー/日本 制作:映像発信てれれ

監督プロフィール

  • 下之坊修子
  • 下之坊修子
    1950年 大阪生まれ。ウーマンズスクールで映像を学ぶ。監督作品に『離婚を選んだ女たち Part II・SEX』(1996)『忘れてほしゅうない』(2004)など。 『ここにおるんじゃけぇ』は山形国際ドキュメンタリー映画祭に正式出品され上映された。