東京ドキュメンタリー映画祭2020
東京ドキュメンタリー映画祭上映作品 > 白根紙鳶見聞録 凧ノ国(しろねかいのぼりけんぶんろく たこのくに)

上映作品

長編10白根紙鳶見聞録 凧ノ国(しろねかいのぼりけんぶんろく たこのくに) 上映時間74分

12月11日(金)10:00~上映

  • 『白根紙鳶見聞録 - 凧ノ国』
    新潟県新潟市南区には、300年の歴史をもつ「白根大凧合戦」が存在し、毎年6月、5日間にわたって開催される。この地域における「凧揚げ」とは、川を挟んで互いに揚げた凧の綱を絡ませ引っ張り合い、綱を切るまでの一連の動作のことを言う。各組の人々が1年間をかけ素材集めから製作までを自分たちで行い、合戦を待つ。その様子を、地域に暮らす人たちの生きざまとして3年間に渡って丹念に記録する。

    2020年/74分

監督のことば

新潟市白根地域に300年続く白根大凧合戦は、地域の人々で構成される13の凧組によって行われ、民間の口伝えによる継承で引き継がれてきた。伝統を持つものは、どこの地域でも何かしらの問題定義やドラマを孕むものだが、どこか一つに焦点をあてるのは違うと強く感じていた。東西を隔てる中之口川や街の様子を、凧に魅入られ、1年をかけ凧を作る人々を1年間のうちの五日間の合戦で吹く下風(しもかぜ)を待ち望み、凧作りが当たり前にある日常を過ごす人々を、ただ映し出したい。そこに自然と想起される物語を感じ取ってもらいたい。
コロナ禍で大凧合戦が太平洋戦争以来の中止になっても、彼らにとって凧はどこまでも日常なのだ。4年間、白根の人々を追いかけた、今も追いかけている。風を待ち続ける人々を。これは壮大な見聞録の始まりにすぎない。今日も白根から声が聞こえる。「凧の為らったらなんでもしっこて」

監督プロフィール

  • 梨本諦嗚
    映画監督、映像作家、写真家、演出家、日本映画監督協会会員。1991年にMVの監督として映像作家デビューの後、映画、美術、写真、演劇など表現の枠にとらわれず、地域に根差した創作活動を続けている。主な監督作品に映画「アノソノアオ」「花火」、MVでは純烈「言葉足らずのメロディ」、舞台「桜の森の満開の下」「真作 青鬼の褌を洗う女」、Web広告ドラマ「ITUWA Group 或る、いつ和の物語」(2018年度新潟広告賞)他。
  • 公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
  • アジアンドキュメンタリーズ