東京ドキュメンタリー映画祭2021

上映作品

短編6かぞくのかたち

12月15日(水)11:50〜上映

旧残留日本兵だった父と、ベトナム系タイ人の母との間に「トオイ」としてタイで生まれ、やがて日本で写真家となった瀬戸正人がかつての記憶を探る『トオイと正人』。実の両親へカメラを意識させながら撮影することで見えてくる、ささやかな日常の愛おしさを反芻する『あなたたち』。家族の数だけ、多様な表現のかたちがある。

  • あなたたち
    あなたたち
  • 作品1

    あなたたち 上映時間44分

    染物屋を営むある夫婦の日常からみえてくる、変わるものや変わらないものについての映画です。

    2020年/44分

監督のことば

以前、実の父と母に出演してもらい映画を撮りました。その時、撮影することを嫌がる両親に無理やりカメラを向け、隠し撮りの様な事をしてまで撮影を強行してしまいました。 本作では「写りたくない」という両親の感情に寄り添い、如何にしたらカメラ前で自然にふるまってもらうことができるのか。そもそも出来ないのか。その様な「撮る側」と「撮られる側」のコミュニケーションの有り様を記録しました

監督プロフィール

  • 市川昂一郎
  • 市川昂一郎
    映画美学校フィクションコース18期高等科修了。 前作『俺』がはままつ映画祭2017でスタッフ賞を受賞。 記録映像の編集や、装飾助手として劇映画の現場に参加しつつ自主制作を続けている。
  • 作品2

    トオイと正人 上映時間63分

    旧残留日本兵の父とベトナム系タイ人の母との間にタイに生まれた「トオイ」は、8歳の時に日本に渡り「正人」となった。その後、写真家を目指した28歳の「正人」は、カメラを携えタイのバンコクへ、生まれ故郷のウドーンタニへ向かう。やがて、「正人」のなかに眠っていた「トオイ」が静かに目を覚ます。さらに父の記憶を追ってメコン川を渡る。写真家・瀬戸正人(木村伊兵衛写真賞作家)の著書『トオイと正人』を映画化。

    2021年/63分

監督のことば

20代の頃から写真と文章による書籍をつくることを長くしてきた。そのことにもちろん不満はないのだけど、その先に別の「何か」があるような気がずっとしていた。原作の『トオイと正人』に出会ったとき、これを映画にしたいと強烈に思った。ページをめくるごとに頭のなかに映像と声と音が次々と浮かんできた。求めていた「何か」に出会った瞬間だった。一度も映画など撮ったことなどなかったが、何故か撮れるような気がした。

監督プロフィール

  • 小林紀晴
  • 小林紀晴
    1968年長野県出身。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。新聞社にカメラマンとして入社。1991年独立。著書に『ASIAN JAPANESE』『見知らぬ記憶』『愛のかたち』など多数。『DAYS ASIA』で日本写真協会新人賞、『遠くから来た舟』で第22回林忠彦賞を受賞。本作は第一回監督作品。
  • 芸術文化振興基金
  • 公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
  • エトノスシネマ
  • アジアンドキュメンタリーズ