東京ドキュメンタリー映画祭2021
東京ドキュメンタリー映画祭上映作品 > いのちと医療従事者

上映作品

短編2いのちと医療従事者

12月14日(火)10:00〜上映

いのちが限られた中、どのように大切な人との関係を結ぶか。
『親のとなりが自分の居場所』は高齢の終末医療患者と、仕事を持たずに家にこもり続ける息子の関係の変化を描き、『小さないのちと家族の時間』は長くは生きられない難病を抱えた新生児の両親が、在宅医療を選択する過程を描く。彼らが生活の中で見つけたかけがえのないものとは。

  • 小さないのちと家族の時間~NICU面会制限の1年~
    小さないのちと家族の時間~NICU面会制限の1年~
  • 作品1

    小さないのちと家族の時間~NICU面会制限の1年~ 上映時間52分

    難病を抱える赤ちゃんを救う最後の砦「新生児集中治療室=NICU」をめぐる家族の記録。 神奈川県立こども医療センターのNICUでは新型コロナの影響で両親や兄弟にも厳しい面会制限を余儀なくされている。家族はわが子と一緒に過ごしたいと悩み、医療現場も葛藤していた。 そうした中、医師から長く生きられないかもしれないと宣告された生後2カ月の「光音ちゃん」の両親は在宅医療の道を選ぶ。退院後の生活の先にあるものとは。(制作:テレビ神奈川)

    2021年/52分

監督のことば

コロナ前から2年余り地元のNICUを継続取材しています。 今、家族は大切な時間を突然奪われ、医療現場は家族を何とか繋ぎたいと様々な試みをしています。小さな命が直面した新型コロナの知られざる影響を、当事者たちと一緒に伝えたいと思いました。90人規模の地方局で記者も人数が少ない中、医師の協力を受け制作が実現。深刻な課題を浮き彫りにすると同時に、命の尊さや生きた時間に関わらない命の輝きが伝わればと思います。

監督プロフィール

  • 笹谷有佳里、西原英典
  • 笹谷有佳里、西原英典
    笹谷有佳里:1990年生まれ。2014年に上智大学卒業後、同年tvk(テレビ神奈川)に入社。営業部を経て2018年から報道部に配属。現在は横浜市政担当記者として取材を行いながら、報道番組内でドキュメンタリーを制作。「小さないのちと家族の時間~NICU面会制限の1年~」は初の番組制作。
  • 作品2

    親のとなりが自分の居場所
    ~小堀先生と親子の日々~ 上映時間59分

    在宅での終末医療を担う小堀鷗一郎医師(82)。訪問先の高齢患者には、仕事を持たず家にこもり続ける中高年の子供がいる場合が多い。そんな「こもりびと」の一人、若い頃仕事で挫折し心を閉ざすようになった50代の男性。小堀医師に導かれ、末期の父の看護を始めると、変化が。ふえていく会話、豊かになっていく表情。小堀医師と患者親子の日々を2年に渡り取材。親の看取りを担うことで子供が居場所を見つけていく姿を追った。(NHK『ETV特集』)

    2021年/59分

監督のことば

取材した、様々な事情で社会とうまくやっていけない「ひきこもり」の中高年にとって、唯一、安心できる「居場所」が介護する親の隣だった。その「居場所」をむしろ地域や社会で守っていくことが大事なのではないか。そして、年老いた「親の看取り」に彼らが社会でみつけられなかった「生きがい」や「やりがい」を見出せたなら、それはそれで「生き方の選択肢」として受け入れられる寛容な社会であって欲しいと切に願う。

監督プロフィール

  • 下村幸子
  • 下村幸子
    東京都生まれ。1993年、NHKエンタープライズに入社し、ドキュメンタリーを中心に番組を企画制作。 在宅医療の現場を密着取材した番組が「人生をしまう時間 “死に際の医療“200日の記録」(2019年)として映画化。日本医学ジャーナリスト協会賞大賞やアジア太平洋放送連合賞等を受賞。著書「いのちの終い方「在宅看取り」1年の記録」。
  • 芸術文化振興基金
  • 公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
  • エトノスシネマ
  • アジアンドキュメンタリーズ