人類学・民俗映像6

愛知県の四十九日の弔いの習俗に親密な距離からカメラを向け、ささやかだが重要な瞬間を逃すことなく切り取った『さきわう家』。時代の流れのなかに消えつつある盆習俗を、広島市内の寺を実家とする監督が同郷人ならではの視点で30年かけて記録した『あさがお灯籠』。各地の特色ある仏教民俗を捉えた2作品。

◎舞台挨拶
▶︎12/15(金)14:45の回 上映後
 登壇:加藤優季監督、青原さとし監督
▶︎12/21(木)12:20の回 上映後
 登壇:加藤優季監督

人類学・民俗映像5

「アイヌ語」の伝承活動に取り組む和人・関根健司の半生を紹介する『ラメトッコㇿ ヤン』。彼とアイヌの妻の間に生まれた娘・摩耶のアイデンティティと葛藤を描く『ハッピー・アイヌ』。太古から現代までに生まれた「文様」の多様な世界を追う『フィシスの波文』。人間の生み出した文化の「継承」をテーマにした3作品。

◎舞台挨拶
▶︎12/15(木)10:00の回 上映後
 登壇:山田裕一郎監督、茂木綾子監督

 

人類学・民俗映像4

🏆人類学・民俗映像部門コンペティション グランプリ(宮本馨太郎賞)

ポルトガルの民族音楽学者マーゴット・ディアスがモザンビークで行ったフィールドワークの資料を元に、監督が現地を再訪。残された資料からマーゴットの経験を再構成し追想することで、過去・現在・未来を繋ぐ映像人類学の価値や意義が示唆される。監督・マーゴット・モザンビークの人々の、視線や思いが重なり合う1作。

◎舞台挨拶
▶︎12/14(木)17:10の回 上映後
 ビデオメッセージ:カタリーナ・アウヴェス・コスタ監督
▶︎12/20(水)9:40の回 上映後
 ビデオメッセージ:カタリーナ・アウヴェス・コスタ監督

 

人類学・民俗映像3

中国東北部で撮影された、シャーマンによる憑依儀礼。霊的体質の女性に向かって、霊的存在が何者かを探りながら何時間も対峙するシャーマンの儀式は圧巻。シャーマンの歌う神歌の旋律や歌詞から、この土地の民間信仰の力強さを実感できる。儀礼の始まりから終わりまでを記録した驚嘆の2時間半。

人類学・民俗映像2

アフリカとオセアニアの精神世界に迫る2作品。『ナマラリ』は、伝統的な洞窟壁画で知られる西オーストラリアのアーティスト、ドニー・ウーラグッジャの活動を20年にわたって記録する。ベナンの精霊ヴォドゥンに対する人々の祈りと生活を記録した『ケノウ村の祭祀』では、精霊と少女の結婚や、霊が宿る人形と婚姻関係を結ぶ男性、災厄を避ける祈りなどを描く。

◎舞台挨拶
▶︎12/14(木)14:45の回 上映後
 登壇:ニーク・ニコラス監督、Herma Darmstadtさん(『ケノウ村の祭祀』プロデューサー)
 ビデオメッセージ:ティム・ママリー監督
▶︎12/20(水)13:30の回 上映後
 ビデオメッセージ:ティム・ママリー監督

 

人類学・民俗映像1

ロシアの少数民族チュクチを、異なるアプローチから描いた2作品。海獣の狩猟を生業とし、自然との共生や食を通した彼らの生と死の循環を、シャーマンの儀礼音楽をバックに強い画でみせる『ピブロクト』。ツンドラの伝統的生活を離れることによるアイデンティティの喪失や高自殺率の問題を、ある男とその家族の劇的なシーンで描き出す『ディタッチド』。