アートのある暮らし

彫刻作品が並ぶ公園で遊ぶある夏の日を記録した『ある日のアルテ』、歌を失いかけた音楽家・太田美帆の日常を見つめる『DAY』、チベットの伝統芸能を生徒たちに伝えようと奮起する若き教師を描く『弦胡琴の呼び声』、仙台のバンド「yumbo」から生まれる音と生活の風景を撮った『ロッツ・オブ・バーズ』。アートの中で暮らす人々の息遣いを感じる4本のドキュメンタリー。

男の履歴書

寂れゆく故郷を盛り上げようと、アマチュアプロレス集団を立ちあげたサムソン宮本の奮闘と闘病を描く『無理しない ケガしない 明日も仕事~新根室プロレス物語~』。一家離散の原因となった父親の末期ガンを機に、監督が家族の再生を試みる『暴力親父 余命4ヵ月 憎しみと愛の狭間で。』人生のカウントダウンを告げられた時、人は何を求めるのか?

看取りの時間

限られた命と向き合う時に人は何を思うのだろうか。余命わずかである父の肉声を子に残すためカメラを回し始めた親子の対話『松の樹の下で』。母の末期ガンを宣告された監督が相談相手として生み出したAIの友人「ジェームズ」との会話『火曜日のジェームズ』。死と生の間を行き来する中国の献体コーディネーターの仕事を追った『会者定離』。日常の延長にある「死」を見つめる3本。

切りひらく女性たち

セネガルのスラム街で生きる女性たちの自立を促す活動の記録『ディンデフェロ』。愛媛県今治市で、ご近所の“ともしび”としてお好み焼きを焼き続ける女主人を描く『ともしび』。ガーナ人の両親を持ち日本で育った馬瓜エブリンが、バスケットボール女子日本代表として銀メダルを獲得するまでの13年間に密着した『東京の日の丸』。女性の貧困、地域コミュニティ、人種差別など、それぞれの局面で切りひらく女性を描いた3編。

地域に生きる

鳥取県の山奥にひとり暮らす老夫の生活や人生の歩みを記録した波田野州平の「現時点プロジェクト」シリーズ新作『私はおぼえている:竹部輝夫さんと中津の記憶』と、「共生」をテーマに作品制作を続けてきた飯田基晴が、精神障害を持つ人々のグループホームでの日々や、施設反対運動の実像に迫る『不安の正体』。人の暮らしと周囲の状況を丁寧に捉えた映像で問う“われわれの世界”。

高校生たちのエモーション

甲子園を目指し全国から集まった北海道小樽・北照高校の野球部員たちに待ち受ける運命を描く『北照ドキュメンタリー2021【誇り】』。 わずか4人で「走れメロス」を題材にした劇を上演する島根の分校の演劇部員が起こした奇跡の物語『走れ!走れ走れメロス』。部活に打ち込む高校生と顧問の先生との間で繰り広げられる、想像のはるか上をゆく青春ドラマ。

戦禍の爪あと

77歳になってなお日本への帰国を望む、未認定の中国残留日本人孤児を追う『望郷』。韓国の従軍慰安婦問題に触発され、尊厳の回復を求め声を上げながら、今なお心の傷を抱える「ビランガナ」(バングラディシュ独立戦争の性被害者)の女性たちを撮った『待ちのぞむ』。歴史に翻弄されることの残酷さと、その中を生き延び、生き続けることの意味を問う2本。

小さき声の抵抗

サケを捕獲する“先住権”を求めて立ち上がるアイヌの人々を描く『サーモンピープル』。震災と原発事故から11年、苦労を振り返りながらも前を向く住民の声を集めた『福島からのメッセージ』。自衛隊ミサイル基地建設に反対しながらも、(ハルサー)農民として独自の生き方を模索する石垣島の青年たちを追った『若きハルサーたちの唄』。流動化する社会で、土地に根づいて生きる人々の姿をとらえた3本。