知る人ぞ知る“日本のこころ”がうかがえる2本。 京都の帯屋・山口源兵衛氏が、蒐集する織物の子供服に込められたメッセージを紐解く『いのちの被膜』。『浮草』は、フランス人の監督が、大衆演劇の女形スター橘大五郎の一座に密着。若くして一座の長を預かる彼の覚悟や、寝食を共にしながら舞台に生きる役者たちの素顔をみつめる。
◎舞台挨拶
▶︎12/5(木)18:40の回 上映後
登壇:モハメド・ガネム監督
▶︎12/5(木)13:50の回 上映後
登壇:モハメド・ガネム監督、松井至監督 *予定
忘却に抗う
節目の報道では捨象されがちな被災地の記憶と“現在”にこだわる4本。ロトスコープアニメーションによる“あの日”の記憶。かつて大津波が襲った北海道奥尻島で静かに進む限界集落化をみつめる人々。故郷を離れる人が続出する一方で移住者が現れる福島県浪江町の今。「メルトダウンは防げた」と、ひとりで福島原発事故の検証を続ける記者。彼らの声が問うものとは?
◎舞台挨拶
▶︎12/4(水)16:55の回 上映後
▶︎12/8(日)12:20の回 上映後
登壇:中野美子監督、新村健一監督、会津万葉子監督、秋山浩之監督、烏賀陽弘道さん(『誰か記者はいないのか? 烏賀陽がいる』主演)
ビデオレター:岩崎宏俊監督
当世大学事情
“フルコロナ世代”の学生たちの4年間を総括する『さよなら大学』。学歴を得るために日本留学を決めた、中国男性の思いに肉薄する『インボリューションと学歴社会』。自身の整形体験をもとに、日常で感じる違和感をアニメーションとして象徴的に表現する『私は、私と、私が、私を、』。世界の揺れ動きの中で若者たちは何を思うのか。
◎舞台挨拶
▶︎12/4(水)14:35の回 上映後
登壇:潘钰洁さん(『インボリューションと学歴社会』プロデューサー)
レターメッセージ:斉藤潤一監督
▶︎12/8(日)10:00の回 上映後
登壇:戸国豪監督、伊藤里菜監督
レターメッセージ:斉藤潤一監督
“先の戦争”の現在地
戦後79年、当事者が次々と亡くなるなか、太平洋戦争は今どう記録されるのか。戦死した祖父が祖母に寄せた強烈なラブレター。一昨年逝去した詩人・鈴木志郎康さんが故郷・亀戸で遺した言葉。物語らぬ遺骨の収集に集う人々から浮かび上がる沖縄戦。鹿児島の離島、黒島に伝わる特攻兵の記憶を継承する若者たち。四者四様の記録。
◎舞台挨拶
▶︎12/3(火)18:50の回 上映後
登壇:仲村淳監督、小沢和史監督、宮ゆふき監督、田畑美徳監督
▶︎12/9(月)10:00の回 上映後
登壇:仲村淳監督、小沢和史監督、宮ゆふき監督 *予定
家と故郷
安らぎの場所にも重圧にもなり得る家や故郷を考察する3本。家族の愛や抑圧を、母や祖母の言動やホームビデオで表現した『家』。『うどを植える』は、壊される運命にある実家の記録を、父の記憶や写真と併せ試みる。『広島生まれ』は、3歳まで広島で育った中国人監督が、父親の慕う居酒屋一家の歴史から、故郷のイメージを掴んでゆく。
◎舞台挨拶
▶︎12/3(火)14:35の回 上映後
登壇:阿部修一郎監督、柴波監督、池端規恵子監督
▶︎12/12(木)15:45の回 上映後
登壇:阿部修一郎監督
命をみつめる
“シニア女子”たちが自身にとって最高の写真を遺すイベントに迫った『郵便局写真館』。大学生の監督が、認知症が進行する自身の祖母と「ちょっと変わった」介護を続ける家族にカメラを向けた『今日は、認知症』。東日本大震災で300人以上の遺体を復元した女性を追った『おもかげ復元師』。目の前の命に、優しくも力強く対峙した3作。
◎舞台挨拶
▶︎12/3(火)12:40の回 上映後
▶︎12/10(火)16:00の回 上映後
登壇:水元泰嗣監督、椋木りあん監督
レターメッセージ:栂坂和音監督
ワールドワイド・NOW
カメラの前で佇むガザの少女の姿と詩の一片、アフリカのシオラレオネに根付く伝統儀式「女性器切除」の変革、キューバに生きるトランスセクシュアルが抱える苦悩と現実、関東大震災で被災した朝鮮人追悼の地で生きる在日2世たちの日常、リオデジャネイロ郊外の違法な「海賊バス」と乗客たちの人生。世界中で声をあげる人々の姿を浮かび上がらせる5作。
◎舞台挨拶
▶︎11/30(土)14:40の回 上映後
登壇:チェ・イェリン監督
ビデオメッセージ:伊藤詩織監督、アナ・グラジエーラ・アギアル監督、ステファノ・モローニ監督
レターメッセージ:ヴァンサン・ギルベール監督