東京ドキュメンタリー映画祭 > 上映作品 > クルドの歌声、インドの生地
上映作品
短編クルドの歌声、インドの生地
3月6日(日)12:10〜、3月11日(金)11:45〜上映
クルド語が禁じられてきたトルコにおいて母語のクルド語で歌い続けた語り部・歌い手。今日本でも紡がれるクルド人の新たな物語を追う『地図になき、故郷からの声』。かつてインド独立運動の象徴ともなった手紡ぎ・手織り布カディ、その意義とともに共同体を生きる一人一人の個性を映し出す『アイ・ウォーク』。土地の歴史と現在を問う2作。
◎舞台挨拶
▶︎3/6(日)12:10の回 上映後
▶︎3/11(金)11:45の回 上映後
登壇:中島夏樹監督(『地図になき、故郷からの声』)
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作品1
アイ・ウォーク 上映時間21分
衣服は人の手で作られる。それは誰の手でどのように生まれるのか。 インドの西ベンガル州、バングラデシュとの国境に近い町 Phulia(フリア)。 かつてインド独立運動の象徴となったKhadi(カディ)は、今も彼らの生活の中心にあり、 ファッションブランドであるYANTORは、この地に住む彼らのもとでKhadiを作っている。 長い時間をかけて、歩くようにゆっくりと紡がれた糸はどこへ行き、私たちに何をみせるのか。 紡がれた布と共にインド国内を移動し、出会った人々に衣服を着てもらうことで、 土地や民族といったコミュニティの中にある一人一人の個性を映し出し、 そこに生まれたシチュエーションを記録していく。2021年/21分
監督のことば
YANTORが2013年に始めた、特定の地域で出会った人に衣服を着せることで、彼らの日常に介入し、そこに生まれたシチュエーションを、彼らの文化を背景に記録するプロジェクト’’ONEbyONE’’。 2019年10月、Khadiを作っている西ベンガルの町Phulia(フリア)へ滞在し、布の流通を追いながら、そこに住む人々の日常を映して出しています。消費的な側面の強いファッションにおいて、継続する文化の中で粛々と生きる彼らの姿を通じ、生み出した衣服にどのような役割を作れるのかを模索します。監督プロフィール
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小谷野五王
武蔵野美術大学で広く映像を学び、卒業後、CMや映画に監督・撮影・編集と携わりながら自主制作活動を始める。民族や家族というコミュニティの中に入り、テーマを模索し、そこに在る、そこに生まれたシチュエーションを映像化している。 「YANTOR」…坂倉弘祐と吉田賢介により2008年設立されたファッションブランド。2013年にプロジェクト[ONEbyONE]を発表。
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作品2
地図になき、故郷からの声 上映時間60分
クルドの語り部・歌い手であるデングべジュ。彼らは、母語であるクルド語が禁じられてきたトルコにおいてクルド語で歌い続けた。土に埋められたカセットテープを、40年間探し続けるひとりのデングべジュ。子どもたちをトルコ人と同じように育てることで彼らを守ろうとした、村で最後のデングべジュ。彼らをめぐる「物語」にのせて届けられたその『声』は、今、クルド人の新たな物語が紡がれている日本で解き放たれた。 (原題:Voices from the homeland)2021年短編部門グランプリ
2021年/60分
監督のことば
2年前、クルディスタンに音楽を求める旅に出た。デングベジュに出会い、初めてその歌声を聴いた時、言葉の意味はわからずとも「声」が肌を通して心にストレートに入り込んできて、揺さぶられた。 デングべジュは、人びとの心の叫びを歌にする。その記憶たちは「音」となり、耳を傾ける者たちの間にこだまし続ける。民族も、時をも超えて私たちのもとへと届いた物語。彼らの声に耳を傾ける私たちもまた、そのこだまに連なる者となる。監督プロフィール
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中島夏樹
1994年、埼玉県生まれ。東京藝術大学附属音楽高等学校を経て、同大学音楽学部作曲科を首席卒業。クラシックから現代音楽までの作曲を学ぶ。同大学院美術研究科を修了。イメージフォーラム映像研究所第43期生。創作の拠点として、株式会社MAGNETICA studioを設立。作曲家・映像作家として活動を行う。