東京ドキュメンタリー映画祭2018
東京ドキュメンタリー映画祭上映作品 > 未知の大陸アフリカ

上映作品

短編2未知の大陸アフリカ 上映時間72分

12月4日(火)19:00 上映

  • 『リアル・ギャングスターズ』
    『リアル・ギャングスターズ』
  • 『リアル・ギャングスターズ』 上映時間17分

    ケニアの首都ナイロビ。そのダウンタウンの先にイスリー地区がある。住人のほとんどが世界最悪の紛争地とも称されるソマリアから逃れてきたソマリア人難民や移民である。同地区はビジネスが盛んな場所であるものの、その裏では銃やドラッグなどの密輸に加え、ソマリアと拠点とするイスラム過激派組織アルシャバーブとも繋がりがあるとされる複数の組織的ギャンググループが暗躍している。本ドキュメンタリーは、駆除対象とされるソマリア人ギャングたちの素顔と彼らを取り巻く世界を描く。

    なお、このドキュメンタリーは、NPO法人アクセプト・インターナショナルが実施している脱過激化・積極的社会復帰事業「Movement with Gangsters」の中で、参加者のソマリア人ギャングたちが作成を自ら提案し、制作されたものです。

    2017年/17分/カラー/日本

監督プロフィール

  • 永井陽右
  • 永井陽右
    1991年、神奈川県生まれ。NPO法人アクセプト・インターナショナル代表理事。早稲田大学在学中に日本ソマリア青年機構を設立。16年London School of Economics and Political Scienceの紛争研究修士課程修了。17年より日本ソマリア青年機構をNPO法人化し、アクセプト・インターナショナルと改称。著書に『僕らはソマリアギャングと夢を語る』(英治出版)、『ぼくは13歳、任務は自爆テロ。: テロと戦争をなくすために必要なこと』(合同出版)など。
  • 『マッガビット~雨を待つ季節~』 上映時間28分

    1998年から通い続けてきたエチオピアのコーヒー栽培農村。2008年3月、はじめて2週間のビデオ撮影を行った。エチオピア暦のマッガビット月(3月頃)は、長い乾季の終りにあたる。人びとはみな雨が降りはじめるのを待っている。村の男たちは雨乞いの祈りを捧げながら、空を眺める。雨が降らなければ、土地を耕して種を蒔くこともできない。ちょうど村の女性たちが中東へ出稼ぎに行こうとしていた。突然の出稼ぎブームだった。その多くは2~3年の契約で家政婦として働く。仲介業者を通して首都に行き、滞在しながらパスポートやビザの申請をし、健康診断を受ける。その渡航の準備だけでお金がかかる。多くの家族は借金を負う。村に戻り、業者からのビザが下りたという連絡を不安げに待つ女性たち。どこの国に渡航することになるのか、いったいそこがどんな国なのか、女性たちは何も知らない。いったい彼女たちはどんな未来を待ちわびているのか。

    2016年/28分/カラー/日本

監督プロフィール

  • 松村圭一郎
  • 松村圭一郎
    1975年、熊本生まれ。岡山大学准教授。専門は文化人類学。エチオピアの農村や中東の都市でフィールドワークを続け、富の所有や分配、貧困と開発援助、海外出稼ぎなどについて研究。著書に『所有と分配の人類学』(世界思想社)、『基本の30冊 文化人類学』(人文書院)、『うしろめたさの人類学』(ミシマ社)がある。エチオピアの農村から中東に出稼ぎに行った女性たちについて映像記録を撮り続けている。
  •  『トホス tɔxɔsu』 上映時間27分

    西アフリカ、ベナン共和国では、多彩な神格や霊的存在からなるヴォドゥン信仰が広く信じられている。多くの神々の中で、トホスと呼ばれる神格は、憑依する神であると同時に、人間の形で生まれてくる神でもある。特に、身体や知的に障がいを持って生まれた場合、その子どもはトホス神とされる場合が多い。
    本作品の主人公であるポールは、子どもの頃話すことができず、占いでトホス神であると判じられた。
    ポールが村を歩くと、人々はポールをからかう。しかし、お金がある時は人びとはトホス神であるポールに捧げ物をし、ヴォドゥンの儀式の際には、憑依した神々が神自身であるポールに挨拶に来る。
    そのようにして村の人は、畑仕事をせずに一日中散歩しているポールを侮り馬鹿にしながらも,畏れ、愛でる。神と人間が生きる、聖性と俗性が入り混じった世界を、ポールに寄り添いながら映し出した。

    2017年/27分/カラー/日本・ペナン

監督プロフィール

  • 村津蘭
  • 村津蘭
    西アフリカのベナン共和国をフィールドとして、宗教人類学の研究をしている。フィールドで生起するリアリティを、書かれた文字による民族誌以外で、どのように立ち上げられるかというか課題にも取り組み、民族誌映画の制作、インスタレーション展示、エスノフィクションの執筆などを実験的に行っている。現在、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程に所属。