東京ドキュメンタリー映画祭 > 上映作品 > 人生という名の哀歌
上映作品
短編9人生という名の哀歌
12月6日(金)10:00〜上映
三者三様の人生行路。一人民家に住む老女。猫とのコミュニケーションと掃き掃除の日々。わずかな独り言から、彼女の生活感、人となりが現出する。ハンセン病で苦難の人生を送ってきた老人。しかし妻となる看護師から恋を打ち明けられ、二人三脚で人生を切り拓いてきた。新疆ウィグル自治区三道嶺。煙を吐き出し石炭を運ぶ蒸気機関車。過酷な労働に耐え、定年間近の機関士に漂う哀感。
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家にあるひと 上映時間21分
古い一軒家に住む老婆が、家のまわりをほうきで掃いたり、昼寝をしたり、逃げ出した猫を追いかけたりする日々の風景。彼女ひとりでの淡々とした日常の時間を、説明的な描写やナレーション、音楽を排して記録した作品。『家』(2017)のショートバージョン。2019年/21分
監督プロフィール
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福原悠介
1983年宮城県仙台市生まれ。映像作家。アートプロジェクトや民話語りなど、地域の文化を映像で記録しているほか、「対話」をテーマとしたワークショップをおこなっている。参加作品に小森はるか監督『空に聞く』など。記録集『セントラル劇場でみた一本の映画』企画・編者。
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石山さん 上映時間42分
<監督より>
かつてハンセン病患者は故郷を追い出され、家族とも別れ、人里離れた施設に強制収容されていた。1930年代からは官民一体となってハンセン病患者と疑わしき者を通報し、強制隔離する無癩県運動までもが行われていた。国による排除の歴史は1907年の「癩予防ニ関スル件」の制定から始まり、1996年に「らい予防法」が廃止されるまでの90年間にわたり、その差別的な指針が許されてきた。
私はこのような差別と排除を強いられた中で生き抜いたある1人の方と出会った。私はその方の話を聞き、その記憶を映像にして残したいとお願いした。そして彼と一緒に追い出された故郷や隔離されていた施設を2人で旅してまわった。差別と排除の中で生きることを手放さなかった彼の声に耳を傾け、記憶の風景を共に歩き見つめた。これはその記録である。2019年/42分
監督プロフィール
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川田淳
1983年埼玉県生まれ。2007年武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。沖縄で戦没者の遺骨を掘り続ける男性の手伝いをし、遺留品の遺族を探し求める作品『終わらない過去』(2015)や、中国と沖縄で戦争体験をした元日本兵の証言を記録した作品『生き残る』(2017)等を制作。『石山さん』(ハンセン病資料館、2019年)、『美しければ美しいほど』(原爆の図丸木美術館、2017年)等の様々な展覧会で作品を発表。
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三道嶺ブルース —消えゆく蒸気機関車と生きて 上映時間33分
<監督より>
三道嶺の炭鉱で働く人たちは、大部分が第二世代だ。彼らの父親の世代は、中国政府による辺境建設支援の呼び掛けに応じ、1958年から相次いで東北地区や内モンゴル地区から三道嶺にやって来て炭鉱の開発に従事した。1967年に三道嶺で生まれた宣江も炭鉱の第二世代だ。学校を卒業すると、そのまま炭鉱の仕事に就いた。蒸気機関車の上という極めて劣悪な環境の職場で、30年間ずっと働き続けてきた。
資源の枯渇に伴い、中国政府は2020年までに三道嶺の露天掘り炭鉱を閉鎖すると発表した。宣江と蒸気機関車も、一緒に歴史の舞台から消える。炭鉱の第三世代はとっくに都会へ出て行った。この町は蒸気と共に消え去るのを待っている。2019年/33分/台湾
監督プロフィール
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黄威勝(ホアン・ウエイシェン)
1974年台湾新竹市生まれ。大学卒業後、週刊誌『壹週刊』専属フォグラファーを務めた後、同誌デジタル部門に勤務、現在に至る。2018年開催の東京ドキュメンタリー映画祭短編部門出品作品『西索米〜人の最後に付き添う女たち〜』は観客賞受賞。