東京ドキュメンタリー映画祭 > 上映作品 > 火と水と祝祭のバリ島 大森康宏特集
上映作品
特集2火と水と祝祭のバリ島 大森康宏特集 上映時間128分
12月3日(火)14:00〜上映
パリで映像人類学者ジャン・ルーシュに師事し、民族学博物館の製作で作品を撮り続けてきた、日本の映像人類学者の草分けである大森康宏。世界中で撮られた膨大な作品群のなかから、バリ島の伝統行事を撮った2本を上映。『ジョゲット・ブンブン』では村人が生を堪能する祝祭的なダンスの場を、『土と火と水の葬送』では島の宇宙観を反映した葬送儀礼を撮り、島社会における陰と陽を際立てる。
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ジョゲット・ブンブン 上映時間14分
1988年に夏にバリ島のトゥガルチャン・クリン村で撮影された、16ミリフィルムによる人類学映画の短篇。バリ島の伝統的な社会におけるディスコテークとも言える行事にカメラを向けた。村人が日常生活のなかで祝い事があるときなどに、楽団と踊り手を呼んで、他の村人とともに音楽とダンスを楽しむ様を記録している。踊り手は、それを見ている観客を指名して、ダンスの輪のなかに引きこみ、祝祭の場は悦びと興奮のるつぼと化す。1990年/14分
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土と火と水の葬送-バリ島の葬式 上映時間114分
バリ島の葬送儀礼を刻明に記録し、火や水などのエレメントとの関係を映像的に構築した傑作長編。バリ島の伝統社会では、ひとりの人が死ぬと、そのまま土葬しておき、葬礼の時期を待つ。村を挙げての葬儀をおこなうときには、聖なる牛「ルンブ」を門前に飾り、死者の家ではシンボル化された遺体を安置して儀式を執りおこなう。壮大な葬式の日になると、墓場から遺骨を掘りだし、洗骨して骨を整える。昼に葬式塔「バデ」に遺体を入れて墓場に運び、ルンブの背中に洗骨した骨とともに入れて火を放つ。火葬された骨の灰は、海岸に運ばれて海に撒かれ、天国へと送られる。パリ人類博物館、ニューヨーク自然史博物館などで上映され、パルニュ第8回国際人類学映画祭にて「映画祭賞」を受賞。1990年/114分
監督プロフィール
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大森康宏
国立民族学博物館名誉教授。映像人類学。パリ第10大学修了(ジャン・ルーシュに師事)。『津軽のカミサマ』、『私の人生―ジプシー・マヌーシュ』、『サンチャゴ・デ・コッポステラヘの巡礼』他、撮影・制作監督作品受賞作多数。フランス・シュロの葉勲章 パルム・アカデミック勲4等受章。国立民族学博物館、立命館大学映像学部教授・学部長を歴任。