東京ドキュメンタリー映画祭2018

上映作品

長編5発酵する民 上映時間97分

12月2日(月)12:00〜上映

  • 2011年4月、原発事故直後の鎌倉。かつて行われた脱原発パレードから派生し、盆踊りで平和の輪を描くことを目的とした「鎌倉イマジン盆踊り部」が結成された。そうした活動をはじめ、作品は生活の中に発酵の微生物の視点や、太陽系を縮小した円形の暦「地球暦」の概念を取り入れ生活する鎌倉の人々を捉える。そこには直線的な時間の流れに緩やかに対抗するような、「円環する時間」が流れている。

    <監督の言葉>
    私は東日本大震災、東京電力福島第一原発事故後、福島や東北を取材してきました。取材を続けるうちに、廃炉まで100年以上という長い「時間軸」に圧倒されるようになりました。その時間軸が直線的であり、風化さえできないものだと感じています。

    そんな時、鎌倉の女性たちと出会い魅かれました。生活に発酵の微生物の視点や、太陽系の円形の暦を取り入れて、どこか違う時間の流れを感じました。穏やかさではなく、「円環する時間」を感じました。私は、この人たちがどこに向かっているのか知りたくなりました。

    原発事故が「福島のことだけ」にされてしまうことに対して違和感を感じています。原発事故後、放射能は福島県の境を越えて、神奈川にも降り注ぎました。神奈川も被災地なのです。福島や被災地の人びとにカメラを向けて見つめるように、鎌倉の人びとにカメラを向けてみようと、8年間取材をしました。共に過ごし、傷跡から思わぬ場所にたどり着きましたが、見ていただけると嬉しいです。

    2019年/97分

監督プロフィール

  • 平野隆章
    1981年神奈川県横須賀市生まれ。クラブや野外レイヴでのVJから映像をはじめ、報道やドキュメンタリー、音楽ビデオなど様々な映像を制作している。2013年、編集を担当した報道ドキュメント『東電テレビ会議 49時間の記録(206分)』(制作:OurPlanetTV)が科学ジャーナリスト大賞を受賞した。本作、『発酵する民』は長編ドキュメンタリー初監督作品。
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