東京ドキュメンタリー映画祭 > 上映作品 > 戦後中国残留婦人考 問縁・愛縁
上映作品
長編6戦後中国残留婦人考 問縁・愛縁 上映時間135分
12月3日(火)10:00〜上映
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1930年代から国策としての満蒙開拓で日本各地から約27万人が満州に渡り、終戦後、帰国がかなわず中国に生きた人々がいた。制作に6年以上を費やした本作は、日本の若い一人の女性が「中国残留婦人」のもとを訪ね、その交流の中から、彼女たちの声に耳を澄まし、過去と現在に迫っていく。「歴史」では語られ難い当事者の声によって、故郷を離れ生きざるをえなかった彼女たちの記憶が切実に、丁寧に綴られる必見作。
<監督の言葉>
戦争は如何なる理由にせよ、是か非か勝ち負けに関わらず、道徳行為の規範、社会秩序を著しく破壊し、国と国とを敵にしてしまいます。誰もが相手の気持ちに立つことを忘れ、自分の事だけを考えるスパイラルに陥り、老若男女全てが自分の運命を把握する事すらできなくなります。
中でも女性たちへの被害は、その最たるものかもしれません。歴史はそのような女性たちを符号として分類し、区別してきました。“中国残留婦人”と呼ばれた人々は戦後、“加害者”と“被害者”という二つの身分を背負うことになりました。長い生存の軌跡には、避けて通れない喜びと悲しみがあったのです……。私は、戦争が中国(旧満州)にやってきた日本女性にもたらした運命と悲しみを、このドキュメンタリーを通して表現したいと考えています。2019年/135分
監督プロフィール
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王乃真
中国・北京生まれ。北京電影学院教授(映画学専門)。1991年、日本大学芸術学部映画学科芸術研究所修了。戦後日本映画監督研究専攻。
2002年から現在に至るまで、ISFVF北京電影学院国際大学映画作品祭や、横浜国際学生映画祭など数々の映画祭で審査員を務める。CCTV-6映画専門チャンネル「佳片有約」において、日本映画専門家として作品を紹介。シンガポールのシェルトン・カレッジアジア映像学院学術委員会委員。