東京ドキュメンタリー映画祭2022
東京ドキュメンタリー映画祭上映作品 > 切りひらく女性たち

上映作品

短編5切りひらく女性たち 上映時間120分

12月14日(水)10:00 / 12月17日(土)13:35

セネガルのスラム街で生きる女性たちの自立を促す活動の記録『ディンデフェロ』。愛媛県今治市で、ご近所の“ともしび”としてお好み焼きを焼き続ける女主人を描く『ともしび』。ガーナ人の両親を持ち日本で育った馬瓜エブリンが、バスケットボール女子日本代表として銀メダルを獲得するまでの13年間に密着した『東京の日の丸』。女性の貧困、地域コミュニティ、人種差別など、それぞれの局面で切りひらく女性を描いた3編。



◎舞台挨拶
▶︎12/14(水)10:00の回 上映後
登壇:村瀬史憲監督、服部倫子監督、寺尾隆監督
ビデオメッセージ:ヤン・イェックレ監督

  • ディンデフェロ
    ディンデフェロ
  • 作品1

    ディンデフェロ 上映時間14分

    スラム街から国境の方向に足を伸ばすと、そこには美しき滝が来客を魅了する村「ディンデフェロ」が存在する。自治体として扱われるこの村では女性を自立させる為の活動が積極的に行われている。結婚が最終選択肢とされるこの村で、伝統や資源を最大限に活用し生きる女性達にフォーカス。

    日本語版 2021年/14分

監督のことば

この作品はドイツ・パッサウのNGO団体「Rotary Club」とバッサリ協会を通して撮影をさせていただきました。女性の自由と村の唯一無二な資源を扱い自らの人生を切り拓く、たくましき姿に真の愛と人間の力を感じました。皆様にもこの団体と活動を知ってもらいたいと思います。

監督プロフィール

  • ヤン・イェックレ
  • ヤン・イェックレ

    フランスとドイツ人の両親の元に生まれる。ドキュメンタリー監督としてパッサウやマルセイユで活動。自身の生い立ちを生かし、経験に基づく異文化交流を作品化してきた。さまざまな国の伝統や儀式、生活習慣が現社会でどう取り組まれているのか。常に取材者の目線になり、国の問題点や不安を忠実にカメラで記録する。

  • 作品2

    NNNドキュメント'22 ともしび〜今治大浜一丁目17年の記録 上映時間46分

    瀬戸内海が運んでくる潮風が吹き抜ける街…愛媛県今治市大浜1丁目。そこにとにかく明るいお母さん、ミーコちゃんのお好み焼店「昌万」がある。日々、「ご近所さん」が集い、笑い、悩みを語り合う。主人のミーコちゃんは74歳。鉄板前に立ち続ける。ご近所さんのほのかな〝ともしび”でいるために。世界はどうしようもなく変わる。だけど、大丈夫。人生は生きづらいけれど、一人じゃない。日本の片隅、寄り添いあってしっかりと人生を生きている一丁目のご近所さん17年の記録。

    2022年/46分

監督のことば

コロナで変わってしまった世界。ただでさえ時代とともに希薄になっていた人と人とのつながり。今治大浜一丁目。日本の片隅に、そのつながりを大事にしているお好み焼き屋の女主人がいる。「世界はどうしようもなく変わる。だけど、大丈夫。人生は生きづらいけれど、一人じゃない」。お好み焼き屋の店主とそのご近所さんたちの17年がそれを教えてくれました。時は流れて否応なく変わっていくものもあるけれど。人生をちゃんと生きている、人と一緒に生きているその美しいあり方をいまコロナ禍にある日本中に届けたい、そんな想いで制作しました。

監督プロフィール

  • 寺尾隆(南海放送報道部)
  • 寺尾隆(南海放送報道部)
    愛媛県松山市生まれ。南海放送ではテレビ制作部や報道部を経て、現在は「ニュースCH4」の 記者を務めるかたわら、ドキュメンタリー番組の制作にあたっている。主な作品にギャラクシー賞入賞)、2019年NNNドキュメント18『薫ちゃんへ~認知症の妻へ1975通のラブレター』(ギャラクシー賞奨励賞)など。
  • 作品3

    メ〜テレドキュメント 東京の日の丸 上映時間60分

    東京五輪で、バスケットボール女子日本代表が銀メダルを獲得した。選手の一人である馬瓜エブリンさん(26)が番組の主人公。両親はガーナ人で、エブリンさんは生まれも育ちも愛知県。メ~テレは2008年からエブリンさんと家族を取材してきた。肌の色や国籍の違い。彼女は目標の前に次々と立ちはだかる「壁」とどう向き合ってきたのか。13年分の貴重な映像をもとにエブリンさんが辿ってきた波乱万丈の路を描く。

    2021年/60分

監督のことば

私が初めてエブリンさんに会ったのは、彼女が13歳、中学1年のときです。屈託がなく、礼儀正しい人柄と、とびきりの笑顔に心を惹かれ、「この人が日本社会でどんな大人になるのか見届けたい」という思いで撮影を続けてきました。幼いころからの目標だったオリンピック出場を果たし、銀メダルを獲得しましたが、彼女の人生のピークはまだまだこれから。馬瓜エブリンという人物が持つ、“勢い”の根源を描いた作品です。
(村瀬史憲)

ポイントは、チームで築いた13年間の取材です。銀メダルを獲得し、注目が高い中で番組制作ができ、積み重ねが実ったと感じています。13年分の素材に収められた言葉や表情から“アイデンティティに対する心の揺れ動き”と“母の想い”を伝えられるよう努力しました。放送後、SNSで「周りとの差で苦しんでいるが救われた」とのコメントを見かけました。“どなたかのきっかけ”となれる番組を制作でき、幸せに感じています。
(服部倫子)

監督プロフィール

  • 村瀬史憲、服部倫子
  • 村瀬史憲、服部倫子

    村瀬史憲(左):
    1970年、愛知県生まれ。番組制作会社「オフィスボウ」を経て、2005年名古屋テレビ入社。ニュース記者やデスクを兼務しながらドキュメンタリー番組を制作。過去作は『奪還~英雄の妻 佐々木敦子の70年~』『防衛フェリー~民間船と戦争~』『葬られた危機~イラク日報問題の原点~』『面会報告~入管と人権~』など。

    服部倫子(右):
    1989年、愛知県生まれ。金城学院大学卒業後、テレビ番組制作会社「名古屋東通企画」に入社。名古屋テレビ放送に派遣となり、日々のニュースや特集などを担当。過去のドキュメンタリーは『793kmの轍~震災ボランティア6年目のジレンマ~』を制作している。

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