東京ドキュメンタリー映画祭2022

上映作品

短編4地域に生きる 上映時間102分

12月12日(月)16:05 / 12月21日(水)12:20

鳥取県の山奥にひとり暮らす老夫の生活や人生の歩みを記録した波田野州平の「現時点プロジェクト」シリーズ新作『私はおぼえている:竹部輝夫さんと中津の記憶』と、「共生」をテーマに作品制作を続けてきた飯田基晴が、精神障害を持つ人々のグループホームでの日々や、施設反対運動の実像に迫る『不安の正体』。人の暮らしと周囲の状況を丁寧に捉えた映像で問う“われわれの世界”。



◎舞台挨拶
▶︎12/12(月)16:05の回 上映後
登壇:波田野州平監督、飯田基晴監督

  • 私はおぼえている:竹部輝夫さんと中津の記憶
    私はおぼえている:竹部輝夫さんと中津の記憶
  • 作品1

    私はおぼえている:竹部輝夫さんと中津の記憶 上映時間37分

    「私はおぼえている」は記録集団・現時点プロジェクトが、2017年より鳥取県で制作している映像シリーズです。このシリーズは鳥取に暮らす高齢者の方に、カメラを前に「おぼえていること」を語ってもらいます。シリーズ10作目の今作は、92歳になる竹部輝夫さんに、15歳で極寒の満州鉄道で働いた話や、戦後の都市化とダム建設により、村民が自分ひとりになった山間の集落について話していただきました。

    2021年/37分

監督のことば

ほとんど何も知らない老人に、最初の記憶から現在に至るまでの記憶を聞くことにした。彼が振り返るその長い人生の語りを聞きながら、私は返す言葉を持っていなかった。彼の人生はあまりに固有で、軽々しく何かを言えることなどひとつもなかった。そして私は、目の前にいるこの人は、私の知らない膨大な時間を使って今この場所までたどり着いたのだ、と実感した。これは、他にない唯一の生を生きる人間の記録です。

監督プロフィール

  • 波田野州平
  • 波田野州平

    1980年鳥取生まれ、東京在住。多摩美術大学映像演劇学科卒。主な作品に『TRAIL 』(2012・ユーロスペース)、『影の由来』(2017・東京ドキュメンタリー映画祭2018 短編部門グランプリ)、『私はおぼえている』(2021・山形国際ドキュメンタリー映画祭2021 招待作品)がある。

  • 作品2

    不安の正体 精神障害者グループホームと地域 上映時間65分

    近年、精神障害のある人たちのグループホームが各地にできている。だがそれに伴い、地域住民によるグループホーム開設反対の運動も生じている。「施設コンフリクト」と呼ばれる、こうした反対運動はなぜ起きるのだろうか? 精神障害者のグループホームとは実際にはどのようなものなのだろう? 反対住民の声と関係者の意見、グループホームに入居している方々の日常やインタビューを通して、その実像を見つめる。

    2021年/65分

監督のことば

「共生社会」などと謳われる現在においても、地域に障害者グループホームができるとなると、不安を訴える声が相次ぐ。だがそこで語られる精神障害者のイメージは、グループホームで暮らす人たちの実態とかけ離れている。撮影を開始して最初に考えたタイトルは、「ホントに怖いのは誰?」。次に浮かんだのは「ホントに怖いのは何だろう?」。作品を通じて、それぞれの問いについて考えてもらえたら幸いだ。

監督プロフィール

  • 飯田基晴
  • 飯田基晴

    1996年より新宿でボランティアとして野宿の人々と関わる。98年よりドキュメンタリー映像の制作を始める。2006年に映像グループ ローポジションを設立。監督作に『あしがらさん』、『犬と猫と人間と』、『逃げ遅れる人々 東日本大震災と障害者』等がある。大学等で映像製作の講義、作品をもとにした授業も行なう。

  • 芸術文化振興基金
  • 公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
  • エトノスシネマ
  • アジアンドキュメンタリーズ