東京ドキュメンタリー映画祭2022

上映作品

特集3森からの声 上映時間85分

12月16日(金)14:20

  • 森からの声
  • 森からの声 上映時間85分

    パプアニューギニアの山岳地帯で暮らすフリ族。その族長であるケパンガは、彼が生まれ育った原生林を歩き、森からの声を聞き取り、それをユーモラスかつ哲学的に語り、祖先からの警鐘を現代人に伝える。その背景には森林伐採が進むことへの危機感があった。人新世における現代ニューギニアを知る上で見のがせない傑作。

    2017年/85分

監督のことば

今から15年以上前に、パプア・ニューギニアのHuli族についてレポートする仕事でMudniya kepanga氏に出会いました。彼は自ら「案内人」となってくれて、私を曲がりくねったジャングルの小道に導いてくれました。何日も歩いている間に彼が教えてくれたのは、森全般ではなく「彼」の森を愛するということでした。この手ほどきで私は自分自身が森の外にある要素の1つであることを理解しました。彼は自身の存在を大きな全ての事の小さな一部であると心に描いていました。彼の特別な運命とその世界観を追うことは過去十年以上私たちが行ってきたことの延長戦です。年を追うごとに、今も私はMundiyaの先を見通す、そして自由な思考から導かれる、その的を得た言葉に魅了されているのです。
(マルク・ドジエ)

Mundiya氏と彼の森を描いたこの映像作品は天からの贈り物です。彼は私を、パプア・ニューギニアの森のカリスマ的人物と映像に記録されていない素晴らしい世界の仲間に加えてくれました。共同監督のマルクと私が望むことは、彼の森を知ること、暮らしている場の木が伐られているところでの彼の疑念に理解すること、彼の様々な協議、議論、平和的な闘いに寄り添うこと、それらを考える場をMundiyaのためにつくることです。この映像作品はアシャについてと私たちの振る舞いを認知することを喚起することを描いています。この挑戦は単純ですが重要なことなのです。パプアで伐られた木の幹が来た道から、森を愛する子どもたちを育むことに通じていくのです。
(リュック・マレスコ)

監督プロフィール

  • マルク・ドジエ、リュック・マレスコ
  • マルク・ドジエ、リュック・マレスコ

    マルク・ドジエ(右)
    監督であり写真家として、活動のほとんどをパプア・ニューギニアに注いできた。彼の活動は数多くの書籍の出版とドキュメンタリー作品となっており、特に彼のパプアの友人であるMundiya KepangaとPolobo Paliaの世界観を紹介している。

    リュック・マレスコ(左)
    フランスの監督であり撮影監督でもある。数多くのドキュメンタリーを制作し、とりわけアルテ局やTF1局とフランステレビジョン局での作品を制作。

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