東京ドキュメンタリー映画祭2022

上映作品

短編1小さき声の抵抗 上映時間112分

12月10日(土)16:20 / 12月19日(月)14:35

サケを捕獲する“先住権”を求めて立ち上がるアイヌの人々を描く『サーモンピープル』。震災と原発事故から11年、苦労を振り返りながらも前を向く住民の声を集めた『福島からのメッセージ』。自衛隊ミサイル基地建設に反対しながらも、(ハルサー)農民として独自の生き方を模索する石垣島の青年たちを追った『若きハルサーたちの唄』。流動化する社会で、土地に根づいて生きる人々の姿をとらえた3本。



◎舞台挨拶
▶︎12/10(土)16:20の回 上映後
登壇:寺田和弘監督、蟹江節子監督、湯本雅典監督、牛来美佳さん(『福島からのメッセージ ーそれでも、私たちはここで生きていくー』出演、シンガーソングライター)
▶︎12/19(月)14:35の回 上映後
登壇:寺田和弘監督、蟹江節子監督、湯本雅典監督

  • サーモンピープル ~アイヌ“先住権”を求めて~
    サーモンピープル ~アイヌ“先住権”を求めて~
  • 作品1

    サーモンピープル ~アイヌ“先住権”を求めて~ 上映時間24分

    2020年8月、日本ではじめてアイヌの「先住権」の確認を国と北海道に求める裁判が提訴された。訴えたのは、北海道浦幌町のアイヌ集団「ラポロアイヌネイション」のメンバー。彼らは地元の川でのサケ捕獲は地元のアイヌ集団がもともと持っている権利だと主張している。なぜ彼らは川でのサケの捕獲を求めるのか、その先にどんな未来を描いているのか。日本で生きるアイヌとして、立ち上がった人たちの今と未来を見つめる。

    2021年/24分

監督のことば

ラポロアイヌネイションは地元の川でのサケ漁の「先住権」を手にした上で、豊かな川を取り戻ることを夢見ています。地元の川でのサケの自然産卵を取り戻すことを夢見ています。果たして、その夢の実現で利益を得るのはアイヌだけでしょうか。私はアイヌ集団が「先住権」を手にした50年後の社会を楽しみにしています。

監督プロフィール

  • 寺田和弘
  • 寺田和弘

    1971年神戸出身。受賞作に『シリーズ言論は大丈夫か~ビラ配り逮捕と公安~』(2006年JCJ賞・テレビ朝日サンデープロジェクト)『DNA鑑定の闇~捜査機関“独占”の危険性~』(2015年テレメンタリー年間最優秀賞・テレビ朝日)がある。 来年2月劇場公開予定の映画「生きる」大川小学校津波裁判を闘った人たち で監督を務める。

  • 作品2

    福島からのメッセージ ーそれでも、私たちはここで生きていくー 上映時間28分

    福島原発に近い地域にはいまだに帰還困難区域があり、避難命令が解けても新しく家を建てるのが禁止されていたり、除染土壌が入ったフレコンバッグが残されていたりと問題は多い。しかし、そんな困難な状況のなかでもここに登場する18名の被災者たちは前向きに歩んでいる。震災や原発事故ををきっかけに新しい人生を始めたといっていいかもしれない。そんな彼らの言葉は不安な現代に生きる私たち日本人、そして世界中の人々に勇気を与えてくれる。

    2022年/28分

監督のことば

この映像は今年3月にウクライナの首都キーフにある国立美術館で上映される予定でした。写真家・吉田繁氏のプロジェクト「福島からのメッセージ」の映像版として、同じ原発事故を経験した福島の人々の今を知りたいという依頼から始まりました。映像の中には私が震災時にどうされていたのか知りたかった学校の先生や役場の方がいますが、なるべくいろんな職種の方にしたいと思いました。撮影しながら私は彼らの言葉にとても元気をもらう感謝の日々を過ごしました。彼らからのポジティブなメッセージは不安な現代に指す「希望の光」となるはずです。

監督プロフィール

  • 蟹江節子
  • 蟹江節子

    1959年長野県生まれ。フリーランスのライター、編集者として多くの書籍や写真集の出版に携わる。著書に『四万十 川がたり』『千年の森へ』『地球遺産 最後の巨樹』などがある。2010年から企業やアーティストのプロモーションビデオなどを制作し始める。ドキュメンタリー映像の制作は本作が第一回監督作品となる。

  • 作品3

    島がミサイル基地になるのか 若きハルサーたちの唄 上映時間60分

    沖縄県石垣島ですすめられている自衛隊ミサイル基地建設。一方的な国のやり方に、疑問を投げかけた若者たちがいた。彼らは農民(ハルサー)。大事なことは話し合いで決めようと住民投票を市の条例に基づいて呼びかけたが、市が直接請求を退けた。それでも、彼らは裁判所に提訴。しかしそれもかなわない状況が続いた。コロナで日本全体が閉そく状態の中、自分たちの生き方を貫く石垣島の若者たちをカメラは追った。

    2021年/60分

監督のことば

ウクライナで、毎日戦禍の中で人が亡くなっています。一方でわが国の南西地域では、戦争が起こることを想定した軍事訓練が連日行われています。それを決定づける事態が、南西諸島ですすむミサイル基地建設です。石垣島では、来年3月に巨大なミサイル基地が完成します。この国に住む人間としてこの事態を知っていただきたいし、一緒に考えてみませんか。軍事基地の建設が、本当に必要なのかを。そのきっかけにこの映画がなればと思っています。

監督プロフィール

  • 湯本雅典
  • 湯本雅典

    2006年3月まで東京都の小学校教員、中途退職。以後自営業の傍ら学習塾の運営、福島の自主避難者への支援、自主映画製作に取り組む。主な作品は、『学校を辞めます 51才の僕の選択』(2007年)、『子どもたちを放射能から守れ 福島のたたかい』(2011年)、『沖縄から叫ぶ 戦争の時代』(2019年)。

  • 芸術文化振興基金
  • 公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
  • エトノスシネマ
  • アジアンドキュメンタリーズ