上映作品
短編8アートのある暮らし 上映時間114分
12月15日(木)16:20 / 12月21日(水)10:00
彫刻作品が並ぶ公園で遊ぶある夏の日を記録した『ある日のアルテ』、歌を失いかけた音楽家・太田美帆の日常を見つめる『DAY』、チベットの伝統芸能を生徒たちに伝えようと奮起する若き教師を描く『弦胡琴の呼び声』、仙台のバンド「yumbo」から生まれる音と生活の風景を撮った『ロッツ・オブ・バーズ』。アートの中で暮らす人々の息遣いを感じる4本のドキュメンタリー。
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作品1
ある日のアルテ 上映時間14分
かつて炭鉱で栄えた町の山の中にある閉校となった小学校の木造校舎。その一部は近年まで地元の幼稚園として利用されていた。この町で生まれ育った彫刻家を中心に閉校となった学校施設を芸術広場として再生する取り組みが行なわれている。自然と人と彫刻が融合した安らぎの空間。広場にある水路や池で水遊びをして過ごす子ども達のある夏の一日。
2022年/14分
監督のことば
彫刻家が野外で彫刻を置く場所を慎重に調整している姿を見た時に、これは映画作家がキャメラを置く場所を慎重に調整している姿と同じではないかと気がつきました。石を素材とする彫刻家は、作品が物質として残り続ける数百年後の未来をも想定して作品を制作すると言います。彫刻家が物質に精神を宿すことを目指すように、いかにして映画作家は映像に精神を宿すことができるであろうか。本作はそのような問いを探求した作品です。
監督プロフィール
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吉田孝行
1972年生まれ。映画とアートの境界を問い直す実験的な映像作品を制作、これまで世界30か国以上の映画祭や展覧会で作品を発表している。近作に『ぽんぽこマウンテン』(16)、『タッチストーン』(17)、『エイジ・オブ・ブライト』(21)など。共著に『アメリカン・アヴァンガルド・ムーヴィ』(森話社)など。
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作品2
DAY 上映時間17分
歌手であり、子二人を持つ母でもある太田美帆はある日、甲状腺がんを宣告される。実際に喉を開かなければ声を残せるのか否か分からないと言う中、手術を数日後に控えた彼女は、自身初となる単独配信ライブへと向かった。一年後の春の日、川原で彼女の声を待つ。
2022年/17分
監督のことば
昔、些細なことだけれど私のことを救ってくれた彼女に対する、せめてもの恩返しのつもりで創りました。近所の川原で撮っていると、曇りのはずなのに景色がとても美しく感じました。
監督プロフィール
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井手内創
文化服装学院を中退後、augment5 Inc. に入社。25歳の時フリーランスに。
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作品3
弦胡琴の呼び声 上映時間38分
中国の四川省甘孜州巴塘县チベット自治区に、地元の人々に深く愛されている「弦子」と呼ばれる民族伝統芸能がある。本編の主人公である「扎西顿鄧珠先生」は、「弦子」文化を次の世代に受け継がせるのを夢に見た、故郷の巴塘县にある小学校で音楽教師の道を選び、「弦子」文化を地元の子供たちに日々教えている。『弦胡琴の呼び声』では、コロナという逆境の中で、民族の伝統芸能である「弦子」を地元の小学生たちに一所懸命伝授しようとする顿鄧珠先生の奮闘記が描かれている。
2022年/38分
監督のことば
ドキュメンタリーの「リアリティーを求め、現実の人間に着目する」ところが、私を深く引き付けます。ニュースの外にも非常に多くの社会問題があるけれど、その全ての問題が報道されて注目され、解決できるわけではないことを、ドキュメンタリーによって気付かされました。
監督プロフィール
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曹也倾(ソウ・ヤケイ)
中国四川省生まれ。大学からドキュメンタリーを関心を持って作り始めた。台北金馬映画祭ドキュメンタリー映画賞のノミネートした『緋色ひいろの森』で、監督の補佐を担当し、ロカルノ国際映画祭、審査員特別賞を受賞した『椒麻堂会』で現場編集を担当した。現在、ドキュメンタリーの個人制作を行っている。
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作品4
ロッツ・オブ・バーズ 上映時間45分
仙台のバンド「yumbo」のリーダー、澁谷浩次のソロ・アルバム「Lots of Birds」についてのドキュメンタリー。レコーディングの様子やインタビューだけでなく、スタジオへ向かう電車の風景、家で過ごす日常など、音楽と生活にまつわるさまざまな時間を記録しながら、楽曲・歌詞とともにひとつのイメージとして提示する。
2021年/45分
監督のことば
はじめてレコーディングにおじゃましたとき、音がひとつひとつ積み重なっていく時間の流れを心地よく感じながら、ずっとカメラを回していました。ある日、各楽曲にモデルとなる人や過去の出来事があると話を聞き、このアルバム自体が一個の「ドキュメンタリー」なのだと思いました。澁谷さんと、澁谷さんが出会った人々の記憶が一曲一曲のなかに結晶していること。それを指し示すだけでも十分ではないかと、私は考えています。
監督プロフィール
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福原悠介
1983年仙台生まれ。映像作家。民話語り・アートプロジェクトなど地域の文化と、そこに暮らす人々の日常を記録する。おもな監督作に『立町三部作』『家にあるひと』『飯舘村に帰る』。また、小森はるか監督『空に聞く』、小森はるか+瀬尾夏美の『二重のまち/交代地のうたを編む』などに参加。