東京ドキュメンタリー映画祭2022

上映作品

人類学3祝祭のかがやき 上映時間93分

12月13日(火)13:55 / 12月22日(木)12:05

シチリア島において農民、漁民、カソリック教会が数ヶ月かけて準備し、古代から続く伝統が情熱的に表現される祝祭の数々。その模様を、ナレーションやインタビューを排したダイレクト・シネマの手法で見つめる実験的民族誌の傑作『ミステリーズ』。文様に注目してバリ島の祭儀を記録した短編『チュプック』を併映。



◎舞台挨拶
▶︎12/13(火)13:55の回 上映後
登壇:佐々木成明さん(多摩美術大学教授)
ビデオメッセージ:ダニエル・グレコ&マウロ・マウゲリ監督

  • ミステリーズ
    ミステリーズ
  • 作品1

    ミステリーズ 上映時間71分

    古代からつづく伝統とスペクタクルな祭儀をもつ、シチリアの有名な4つのフェスタがある。公的な秩序を乱すために危険視されてきたため、その内容は人びとによく知られていない。1年の季節がめぐり変化するなかで、漁師や農民からなるコミュニティは、これらの祝祭のために数ヶ月をかけて準備をする。そして、フェスタのなかに自分たちの共同的な表現と喜びを見出していく。これらの地域における祖先とのつながりは、その土地を象徴する自然と結びついてもいる。

    2022年/71分

監督のことば

この映画は、シチリアの有名なフェスタを記録するドキュメンタリー・シリーズの1本として、シチリアの民衆文化を記録するプロジェクトの最終段階でつくられました。作品の主人公となるのは、数か月の準備作業をかけて祝祭をおこない、そのなかに自分たちのアイデンティティを見つけていく地元のコミュニティ自体です。この作品の主眼は、スペクタクルな祭儀でも、そのなかで起きる危険なできごとでもありません。異なる世代からなる家族全体を巻きこんで、団結してひとつのイベントを達成することの方です。それは、何世紀にもわたり、個人が全体の一部になるための物語となってきたのです。

監督プロフィール

  • ダニエル・グレコ、マウロ・マウゲリ
  • ダニエル・グレコ、マウロ・マウゲリ
    ダニエル・グレコは、フリーランスの映像作家でフォト・ジャーナリスト。いくつかの映像分野で試行を重ねたあと、ドキュメンタリーの領域に情熱を捧げることを決めた。マウロ・マウゲリはアバディルのデザイン学校で撮影と編集を教え、UCCA(アルチ撮影者組合)の全国委員会のメンバーである。ふたりは2013年から共同で仕事をしている。
  • 作品2

    チュプック―イカット文様に宿る魔除けの力 上映時間12分

    「チュプック」は、マレー語で「イカット」と呼ばれる絣布で、赤紫色を基調に、インドに由来するハート文様や、花文様、ギギバロンと呼ばれるノコギリの刃のようなシンボリックな文様が表されている。バリ島でチュプックは昔から禍や悪霊から人々を守ると信じられてきた不思議な布、屋敷を守護する布、そしてバロンダンスで魔女ランダを演じる者を守護する布で、今でも宗教儀礼で大切に使われている。

    2017年/12分

監督のことば

「インドネシアバリ編」に収録されたものです。インドネシア諸島は「テキスタイルの宝庫」で、多彩な文様をデザインした布が、生活の中で生き生きと使われています。バリ島の人々が伝統的な赤い魔除けの絣布を大切にする様子を体感してください。

監督プロフィール

  • TAMA MON 22―多摩美術大学文様研究プロジェクト、深津裕子
  • TAMA MON 22―多摩美術大学文様研究プロジェクト、深津裕子

    深津裕子:
    多摩美術大学美術学部リベラルアーツセンター教授。世界の様々なテキスタイルに関する調査研究をしながら、多摩美術大学文様研究プロジェクトにも参加。テキスタイルを中心とする文様をアーカイブし、文化に根差す装飾の歴史や、文様の創造力について探究している。

  • 芸術文化振興基金
  • 公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
  • エトノスシネマ
  • アジアンドキュメンタリーズ