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2023.10.25
東京ドキュメンタリー映画祭2023 ラインアップ解禁
6 回目となる「東京ドキュメンタリー映画祭2023」が、本年12 月9 日(土)〜12 月22日(金)に、新宿K’s cinema にて開催されることが決定いたしました。今年も「短編」「長編」「人類学・民俗映像」の各コンペティション部門の厳選された作品のほか、舞踏の世界や、90 年代沖縄の伝説のお笑いコンビ『ファニーズ』、2016 年に逝去した歌手「りりィ」の生前のライブを記録した『りりィ 私は泣いています』の特別上映など、2 週間にわたり、多彩なドキュメンタリー映画の上映を行います。各作品の上映日時や内容は、本サイトをご覧ください。
なお本年8月、前プログラムディレクターが辞任した問題を受け、今年の映画祭の開催につきましては現行スタッフで討議し、劇場や後援団体とも協議を重ねておりましたが、既に皆様の応募作品をお預かりしており、公的助成をいただくなど社会的な責務が発生していること、現行のスタッフに新たな問題行為は認められなかったことから、劇場・後援団体の承認を得て、開催を決定することといたしました。
開催にあたり、改めて運営指針を定めたほか、映画祭初日 (12/9)に、韓国での#Me too 運動のその後を記録したドキュメンタリー映画『アフター・ミー・トゥー』の上映と「誰もが安全に、安心して参加できる映画の現場」をテーマにしたトークセッションを行い、人間の尊厳を守り、ハラスメントを看過しない映画の現場の運営を考える機会を設けます。
<映画祭プログラマー 佐藤寛朗 コメント>
今年の映画祭の開催は、開催休止や組織の解散も議論される中で、映画祭の果たせる責任とは何か、現行スタッフ(佐藤寛朗、澤山恵次、津留崎麻子、若林良、吉田悠樹彦、田淵絵美、井河澤智子、竹田史佳)一同熟孝したうえの決断でした。社会の規範が時代によって変わるように、ドキュメンタリーの制作や映画祭の運営においても、取材対象者、スタッフ、観客など“他者の尊厳”への感覚を、日々アップデートする必要があると考えます。なぜならドキュメンタリーとは、人間であれ社会であれ、取材対象をまなざす限りは「その人(事態)をどう捉えるか」という、まなざす側の倫理が問われる事が前提の表現だからです。今夏問われたことの反省を踏まえながら、「社会を考える場作り」としてのドキュメンタリー映画祭を、一歩歩ませていただければと考えています。
<参考.pdfファイル>
東京ドキュメンタリー映画祭2023 ラインアップ解禁
東京ドキュメンタリー映画祭 運営指針