東京ドキュメンタリー映画祭2022

上映作品

短編現代の家 上映時間95分

12月11日(月)14:10 / 12月16日(土)12:30

人間の生活を繋げる「家」とは何を示しているのだろうか。東日本大震災で被災した石巻の家に宿る記憶を辿る『家は生きていく』。シェアハウスで共同生活を営む少年と彼を見守る同居人たちの目線『​​家族の間取り』。「家庭」を築く制度を、建築基準法や同性婚、家族制度の目線で検証する『繁殖する庭』。「家」「家族」「家庭」にまつわる3作品。

◎舞台挨拶
▶︎12/11(月)14:10の回 上映後
 登壇:松井至監督、繁殖する庭プロジェクト (小宮りさ麻吏奈監督+鈴木千尋監督)、ジョイス・ラム監督
▶︎12/16(土)12:30の回 上映後
 登壇:松井至監督、繁殖する庭プロジェクト (小宮りさ麻吏奈監督+鈴木千尋監督)、ジョイス・ラム監督

 

  • 家は生きていく
    家は生きていく
  • 作品1

    家は生きていく 上映時間15分

    〜石巻の海からすぐ近くに一軒のお家があって、波を被った状態で建っています
     家主のちばさんは「この家を壊したくない」と考え続けています〜

    一本のメールではじまった、東日本大震災から12年の歳月を巡る<家>の記憶のドキュメンタリー。
    あれから人は何を忘れて、何を覚えたのか。
    死者と生者、喪失と再生、忘却と記憶、そのあわいに揺れる人の姿を<家>はどう見ていたのか。

    @松井至
    (協力:竹内久古、石巻アートプロジェクト実行委員会、信陽堂 制作:ちばふみ枝、松井至)

    2023年/15分/日本

監督のことば

東日本大震災の後で多くの人が被災した家の解体を選んだとき、ちばさんはそうしなかった。
彼女は「忘れる」ことを選ばずに、家と共にうずくまって、うずくまったまま震災以前から連なる自分の時間を守ろうとしたのかもしれない。
その内なる時間の懐に喪失を受け入れるのに11年と半年を要した。
そんなときに僕はこの家に入り、映像で、この家を覚えた。

監督プロフィール

  • 松井至
  • 松井至

    ドキュメンタリー制作者。1984年生まれ。人と世界と映像の関係を模索している。2022年、映画『私だけ聴こえる』を国内外で公開。信陽堂にてドキュメンタリー制作記〈人に潜る〉を連載中。誰からでも依頼を受けるドキュメンタリーの個人商店〈いまを覚える〉を開店。

  • 作品2

    家族の間取り 上映時間21分

    「家族」は血縁関係で結ばれる関係だけではない。共同生活・共食によって獲得できる家族の関係性を探った前作となる『新異家族』(2021)は、私が住んでいたシェアハウスに生まれてきたゆづきを中心に食卓の周りの人々を取り上げた。それから2年が経ち、ベイビーだったゆづきは4歳半になり、弟ができた。話したり、走ったり、たくさんのことができるようになった。再びシェアハウスにカメラを向けた私は、ゆづきにカメラを渡すことにした。

    2023年/21分/日本

監督のことば

「家族は何ですか?」とゆづきにズバリ聞いてみたら、彼が考える家族の単位は彼が経験している家(シェアハウス)の空間と深く結びついていることに気づいた。それを作品に表現するために絵を描いてもらおうか、どうしようかを悩んだ結果、撮ってもらったぶれぶれの映像がとても愛おしく思えた。

監督プロフィール

  • ジョイス・ラム
  • ジョイス・ラム

    ジョイス・ラム 香港生まれ。映像作品やレクチャーパフォーマンス、書籍の制作を通して「家族」の定義を捉え直す。主な展覧会は「あなたが眠りにつくところ」(藤沢市アートスペース、2023)、「家族に関する考察のトリロジー」(TOKAS本郷、2022)など。東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了。2022年度アーツコミッション・ヨコハマU39アーティスト・フェロー。

    photo by Miss Bean

  • 作品3

    繁殖する庭 上映時間59分

    現行の建築基準法の規制により家を建てることができない「再建築不可の土地」では「家」を建てることができない。また、結婚制度で規制されている「同性による結婚」においても、「家庭」を持つことができない。2つの制度によって規制された2つの「家(庭)」を重ね合わせ浮かび上がらせるとともに、新しい家の形として「庭」を作ることを模索するエクスペリメンタルドキュメンタリー。

    2023年/59分/日本

監督のことば

どうにもできないことはいくらでもあるけれど、人間間で決められた制度によってどうにもできなくなっていることならば、私たちにもどうにかできる可能性があると信じたいです。家を建てることもできなければ、婚姻制度を利用することもできない、生殖することもできない、人間のはなしです。庭には猫や虫が遊びにきて、住居の間から吹かれてくる風に雑草と呼ばれる植物たちは揺られていました。ここに家を建てることはできません。

監督プロフィール

  • 繁殖する庭プロジェクト (小宮りさ麻吏奈+鈴木千尋)
  • 繁殖する庭プロジェクト (小宮りさ麻吏奈+鈴木千尋)

    小宮りさ麻吏奈と鈴木千尋からなるユニット。既存の制度によって去勢された存在や事象をすくい取り、異性愛規範の外側を模索するためプロジェクトを展開。「繁殖する庭」の運営を行うほか、実際の場所にとどまらず、従来の家族制度の外野と言えるクィアネスを抱えた存在がどのような「場」を構築できるかを模索する。

  • 公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
  • エトノスシネマ