上映作品
人類学人類学・民俗映像6 上映時間96分
12月15日(金)14:45 / 12月21日(木)12:20
愛知県の四十九日の弔いの習俗に親密な距離からカメラを向け、ささやかだが重要な瞬間を逃すことなく切り取った『さきわう家』。時代の流れのなかに消えつつある盆習俗を、広島市内の寺を実家とする監督が同郷人ならではの視点で30年かけて記録した『あさがお灯籠』。各地の特色ある仏教民俗を捉えた2作品。
◎舞台挨拶
▶︎12/15(金)14:45の回 上映後
登壇:加藤優季監督、青原さとし監督
▶︎12/21(木)12:20の回 上映後
登壇:加藤優季監督
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作品1
さきわう家 上映時間26分
愛知の片田舎に暮らす美子は長く連れ添った夫を亡くしたばかり。しきたりに従い、四十九日まで遺骨は自宅に置かれ、毎週末、親族が集まり法要を営む。四十九日は、家族の死を受け入れるための時間といわれるが、そのささやかで確かな変化が、親密なカメラによって捉えられている。夫をあの世へ送り出す妻の、一夏の記録。
2023年/26分/日本
監督のことば
昨年の夏、がんを患っていた祖父が亡くなりました。この作品は、その四十九日までの毎週の法要を短編ドキュメンタリーとしてまとめたものです。亡き祖父を、暮らしていた家から送り出す。四十九日の間、祖母や大叔母が祖父の遺影に向かってかけていた言葉には初めて聞くような穏やかな響きがありました。
監督プロフィール
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加藤優季
1997年、愛知県生まれ。上智大学卒業。「さきわう家」が初めての監督作品となる。
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作品2
あさがお灯籠 上映時間70分
広島ではお盆の時期に「あさがお灯籠」が各家のお墓に一斉に立てられる。安芸門徒だけが伝える独特の文化「あさがお灯篭」とはいったい何か? 民族文化映像研究所出身で、広島の寺に生まれ育った青原さとし監督が、1990年頃から30年をかけて郷土の灯篭職人や市井の人々に取材。すると「ヒロシマ」、福島県南相馬市、東京都新島村、滋賀県朽木村、広島県尾道市、新潟県新発田市と、日本列島に底流する「ともし火」文化が見えてくる。
2021年/70分/日本/2023年再編集
監督のことば
本作は私が生まれ育った広島市の真宗寺院とその周辺の取材から始まりました。「真宗地帯は民俗不毛の地」「先祖崇拝を否定する真宗」といった言説に対する問いかけから発したのでした。回答が得られたわけではありませんが、列島各地のお盆文化とあさがお灯籠をコラージュすることによって現代に喪失した何かが立ち現れたように思いました。
監督プロフィール
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青原さとし
広島市生。記録映画監督。1988年から14年間民族文化映像研究所に勤め、2003 年に『土徳 』を自主制作。翌年広島にUターン、民俗映画を続々制作。『藝州かやぶき紀行』(2007)、『タケヤネの里』 (2011)、『土徳流離』(2015)など多数。近年、北広島町で住職を勤めながら、地域の映像記録を進めている。