東京ドキュメンタリー映画祭 in OSAKA 2021 > 上映作品 > カムイチェプ サケ漁と先住権
上映作品
特集3カムイチェプ サケ漁と先住権
3月22日(月)11:00~
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カムイチェプ サケ漁と先住権 上映時間91分
かつてアイヌは自分の生活圏で自由に鮭を獲り主食としていたが、明治以降日本政府はアイヌに対し川での鮭漁を規制していった。紋別アイヌ協会の畠山さんは、先住権の行使としての自由な鮭漁を長年求め、アイヌの伝統儀式「カムイチェプノミ」を行ため無許可で鮭の採捕を試みるが、警察沙汰となり揉み合いとなってしまう。果たして先住民の権利は守られるのか!?道内各地の支援のアイヌとともに、ひとり闘う畠山さんの姿に心を動かさずにはいられない。2020年/91分
監督のことば
畠山敏さんに最初に出会ったのは、2013年に畠山さんがアイヌ遺骨返還訴訟の原告として加わった時です。モベツコタンの子孫として生まれ、子供時代からアイヌとして過酷な差別を受け、それでも漁師として生計を立て、50才を過ぎてからアイヌとしての生き方を選び、紋別アイヌ協会の会長として、先住権を回復させるため積極的に内閣府の職員や北海道知事に要望を伝えてきた人です。2018年、紋別アイヌ協会による「無許可」の鮭漁がテレビや新聞では「密漁」扱いで報道されました。同様のことが 1960年代に合衆国でありました。アメリカ先住民のビリー・フランク・ジュニア氏は先住民の漁業権を認めないワシントン州に抗議して「無許可」漁を始め、何度も逮捕されましたが、その行動はワシントン州が先住権に基づく漁業権を認めることにつながりました。畠山さんのとった行動は「密漁」なのでしょうか?それとも先住権を求めるアイヌによる抗議行動だったのでしょうか?監督プロフィール
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藤野知明
1966年、札幌生まれ。戦後補償を求めるサハリンの先住民に関する短編ドキュメンタリー「サハリンからの声」(1996年)の制作に参加。映像制作グループ「動画工房ぞうしま」を淺野由美子と設立。ジンバブエの音楽グループ、ジャナグルジュニアのPV「JENAGURU HOSO」(2014年)を監督。短編ドキュメンタリー『八十五年ぶりの帰還 アイヌ遺骨 杵臼コタンへ』(2017年)を監督。長編ドキュメンタリー「とりもどす―囚われのアイヌ遺骨―」(2019年)を監督。