東京ドキュメンタリー映画祭 > 上映作品 > 40年 紅どうだん咲く村で
上映作品
長編340年 紅どうだん咲く村で 上映時間102分
12月7日(月)10:00~上映
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日本有数の原発銀座・福井県美浜町で、ひとり原発反対の姿勢を貫く松下照幸さん一家の40年にわたる闘いの軌跡を描く。 2011年3月に起きた福島第一原発事故は、日本中を「原発再稼働か、廃炉か」の世論で揺らしたが、原発のお膝元である美浜町もまた 「原発があることの不安と、無くなることの不安」 に揺れていた。8年が経ち、 再稼働もやむなしとする「現状容認」 の空気が時代を覆うが、それでも松下さんは反対の姿勢を貫き、地域経済の自立を目指して “希望の木”である「紅どうだんつつじ」植え続けている。なぜ彼は、闘い続けることができるのか?
2019年/102分
監督のことば
大津波、水素爆発、ヘリからの放水、白い防護服の群、鳴り響くガイガーカウンター、混乱している東京電力のテレビ会議。このような現実を私は頭の片隅にでも想像できていただろうか。原発の本質を知らなかったのだということを、私は「知った」のでした。まず、「知る」ことから始めようということが、本作をつくるきっかけでした。映画が完成した後の2019年夏、関西電力原子力事業本部幹部を中心に、高浜町元助役から3億円を超える金を受領していたことが報道されました。そして、不正の舞台になった、美浜町と高浜町の老朽原発が、2021年、20年運転延長される計画です。取返しがつかない事故が発生しても、不正が発覚しても止まらない原発。茫然とするような状況ですが、主人公の松下さんは、今も美浜町で原発と対峙し、そして紅どうだんつづじを育ています。小さな花の中に、希望の灯りを見出していただけたらうれしいです。
監督プロフィール
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岡崎まゆみ
2001年、原一男監督氏が主宰するOSAKA「CINEMA塾」に塾生として参加。ドキュメンタリー映画を学びながら、ひきこもりの青年たちを取材した作品「心をひらいて」を完成。その後、ドキュメンタリー番組、映画のスタッフとして活動。原一男監督の「ニッポン国 VS 泉南石綿村」(2017)のスタッフとして参加。
2019年4月より、大阪芸術大学で映像学科非常勤講師としてドキュメンタリー映画を指導。