東京ドキュメンタリー映画祭 > 上映作品 > なれのはて
上映作品
長編6なれのはて 上映時間126分
12月8日(火)16:00~上映
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それぞれの事情で、フィリピンの底辺に暮らす日本の男たちがいる。日本で事件を起こし逃げてきた男、フィリピン女性にハマり妻子を捨ててきた男、仕事が無くなり半ばヤケになって日本を飛び出した男…。日本を捨て、常夏の国フィリピンで“第二の人生”を送ることを決めた彼らを待ち受けていたのは、どんな運命だったのか?彼らの行き止まりの生活は、しかし「生きる」とは何か、「幸福」とは何かといった問いを私たちに突き付ける。
2020年/126分
監督のことば
最初の頃、題材になる人がなかなか見つからない。異国でひとりぼっち、相談する人もいない。孤独、ひたすら孤独…中盤。色々な人との出会いが増えていく。フィリピンに行くのが楽しみになってくる。オレのためだけの役者がいる、オレのためだけのセットがある!後半。いつまで彼らを追いかけ続けるのか、この物語をどう終わらせればいいのか、悩みながら撮影を続ける…そして仕上げ。一体これをまとめて面白いモノになるのか分からない、撮影させてくれた人たちへの義務感半分以上で編集を始める。夜な夜な仕事終わりに撮った素材を見ては、使えそうなところを抜いていく…1年経って、そのまとまりが6時間になった。一日かけて一気に見る。“何か”が映ってる…これなら映画になるんじゃないか。その時、「無理に面白くしない」と決めた。それはいつもやっているから。違うやり方でも、面白くできるんじゃないか?そもそも「面白い」ってなんだ?またも試行錯誤が続き…2時間のカタマリになった。観客の皆さんへ:おそらく普段観ている映画やテレビとは違う手触りの作品だと思いますが、異国で生きる“行き詰まった”日本の男たちのことを知って、想いを馳せていただければ、こんなに嬉しいことはありません。よろしくお願いします!
監督プロフィール
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粂田剛
1969年愛知県生まれ。東京都立大学人文学部社会学科文化人類学専攻卒業。
フリーの助監督として原将人『20世紀ノスタルジア』、矢崎仁司『ストロベリーショートケイクス』、松井良彦『どこに行くの?』などに参加。その一方で、企業PR映像や教育映像、テレビ番組のディレクターとしても仕事を続ける。主な演出作品に『フランケンシュタインの誘惑 科学史 闇の事件簿 第三夜 クローン人間の恐怖』(NHK BSプレミアム)、『珍盤アワー 関根勤の聴くメンタリー!』(BSフジテレビ)などがある。