東京ドキュメンタリー映画祭2020
東京ドキュメンタリー映画祭上映作品 > 傍観者あるいは偶然のテロリスト

上映作品

長編7傍観者あるいは偶然のテロリスト 上映時間118分

12月9日(火)10:00~上映

  • 20年前、第2次インティファーダという民衆蜂起の嵐の中、イスラエルによる破壊と殺戮の現場を駆けまわった記憶。映画は20年前の生々しい紛争の記録と、現在のパレスチナ各地を歩く男の姿が交錯する。あれからパレスチナはどう変わったのか。あの時の若者は今何を語るのか。そこに見たのは、今なお続く占領と抑圧の実態だった。700キロにも及ぶ分離壁がイスラエルとパレスチナを分断する不気味な光景。過去と現在をさまよう主人公。
    世界が“傍観者”のままでいいのか。私たちは傍観者のままでいいのか。
    そして後藤の構想したシナリオにリアリティはあるのか。
    現在68歳の老映像作家、老ジャーナリストの追憶のプライベート・ムービーが問いかける。

    2020年/118分

監督のことば

この映画は、『偶然のテロリスト』というパレスチナを舞台にした劇映画のシナリオを作ったところから始まる。その映画のロケハンを計画したが、いっそパレスチナを再訪する私自身をドキュメントし作品にしようと考えた。
シナリオの中の老ジャーナリストとは私のことであり、シナリオで想定した場所を訪ねて歩く。それは同時に、私自身が20年前にフリーのジャーナリストとして初めてパレスチナを訪れ、カメラを手に駆けまわった記憶を辿る旅にもなるはずだ。
あの頃の私を駆り立てたものとは何だったのか。私が見たものは何だったのか。
そして今パレスチナはどうなっているのか。
それは追憶と共に、現在のパレスチナを知る旅の記録となった。
そして同時に自問自答の旅になるはずだった。私は目撃者なのか傍観者なのか。
この作品は、私がかつて撮影した映像と、現在のパレスチナを交錯させながら、しかも劇映画のシナリオも織り込んでいるという、ちょっと異質な作品に仕上がっている。

監督プロフィール

  • 後藤和夫
    1952年2月2日生まれの東京育ち。1970年都立高校卒業だが、バリケード封鎖を行いほとんど授業は受けておらず。卒業の年、大島渚監督『東京戦争戦後秘話』の主演。自身も自主映画を作る。1979年、物書きを経てテレビ界に。以後情報番組、報道番組に携わる。
    2014年まで10年間テレビ朝日『報道ステーション』のプロデューサーを務めテレビを引退。
    2018年に仲間と「シネマハウス大塚」を立ちあげ、2020年に本作品を制作・監督。実に46年ぶりの本編である。
  • 公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
  • アジアンドキュメンタリーズ