東京ドキュメンタリー映画祭 > 上映作品 > “当事者たち”の告白
上映作品
短編4“当事者たち”の告白
12月6日(日)12:00〜上映
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作品1
あなたの瞳に話せたら 上映時間29分
2011年3月11日の東日本大震災によって、“私”の故郷・宮城県石巻市大川地区も甚大な被害を受けた。地域の中心にある大川小学校では、学校にいた74名の児童と10名の教職員が逃げ遅れ、大津波の犠牲となった。そのうち4名の児童は今も行方不明のままだ。
これは、震災後を生きてきた大川の若者たちから、あの日亡くなった人々へ送る、一通の手紙である。2020年/29分
監督のことば
東日本大震災の遺構の一つである、宮城県石巻市立大川小学校。あの日、ここで多くの子どもたちと先生方が、8.6mもの津波に飲まれて命を落としました。当時12歳だった妹もそのうちの一人です。子どもたちの声が消え、その他にも沢山の住民の方々が犠牲となった大川地区。私が大好きだった風景は、もうどこにも見られなくなりました。
この作品は、日に日に遠ざかっていくかつての故郷、そして妹たちとの距離を、どうにか繋ぎ止めようと、私のありったけの力を振り絞って製作したものです。どうか一人でも多くの方の目に触れますように。
監督プロフィール
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佐藤そのみ
1996年、宮城県石巻市に生まれる。幼少期より故郷で映画を撮ることを志し、2015年日本大学芸術学部映画学科に入学。主に石巻市を舞台に、数本の劇映画やドキュメンタリー映画を製作する。同大学卒業後、現在は都内の制作会社で働く。
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作品2
I Am Here 〜私たちはともに生きている〜 上映時間60分
2004 年より日本でも性別が変更できる GID 特例法が施行された。しかし、適用要件が高すぎることもあり、性別変更を望んでも要件を満たすことができずにいる当事者が少なからずいる。 戸籍上の性別を変更できないことで、精神的な苦痛を生じたり、社会生活をする上で偏見や差別にさらされたりすることもある。性に悩む様々な当事者達の想いや、監督自身の家族との関係やなど、 小さな視点から当事者が日常生活で直面する複雑な問題点を浮き彫りにする。2020年/60分
監督のことば
2004年、日本のGID当事者たちが待ち望んでいた『GID特例法(性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律)』が制定された。当事者として既に手術を経て性別変更を済ませている僕、浅沼智也は「当事者の現状を多くの人に知ってもらいアクションをする人を増やし、より生きやすい社会になるようにしたい、孤立しがちな当事者に、決して一人ではないというメッセージを送りたい」との思いから映画制作を決め、今まで避けていた「セクシュアリティの話」を父親と行いきちんと向き合ってみようと思い立つ。性別変更に賛成はしてくれなかった両親。お互い年月を経てもたらされる『変化』。今を生きる日本全国の性に揺らぎがある当事者にフォーカスを当て、心の内を聞くことで『他者に押し付けられる「らしさ」との葛藤』『就職活動の「性別の壁」』『未成年の子供がいないことや手術を必須としている「性別変更の法律」のハードルの高さ』それが、それぞれの思いとともに映し出される。
同じ方向を向いていたはずの当事者たちは、それぞれの思いの強さ故に複雑な思いを抱えている。そして、GIDとトランスジェンダー、それぞれの思いが未来へと繋がっていく。 トランスジェンダーもそうでない人も、今も昔もずっと共に生きている。
自分達は特別な存在ではない。今、私たちが伝えたいこと。
監督プロフィール
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浅沼智也
4月30日生まれ。岡山県総社市出身。トランス男性。幼少期の頃に性別違和を感じるもカミングアウトできず、18歳まで女性として生活をする。18歳の時にジェンダークリニックに受診しGIDと診断。その後GID治療を始め現在は男性として生活している。著者「虹色ジャ~ニ→ 女と男と時々ハーフ」文芸社。看護師として働きながら、執筆・講演活動やメディア等に出演しトランスジェンダーがより生きやすい社会になるよう活動をしている。
Twitter:@nnn_tomoya
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