東京ドキュメンタリー映画祭2022
東京ドキュメンタリー映画祭上映作品 > 人類学・民俗映像4

上映作品

人類学人類学・民俗映像4 上映時間72分

12月14日(木)17:10 / 12月20日(水)9:40

🏆人類学・民俗映像部門コンペティション グランプリ(宮本馨太郎賞)

ポルトガルの民族音楽学者マーゴット・ディアスがモザンビークで行ったフィールドワークの資料を元に、監督が現地を再訪。残された資料からマーゴットの経験を再構成し追想することで、過去・現在・未来を繋ぐ映像人類学の価値や意義が示唆される。監督・マーゴット・モザンビークの人々の、視線や思いが重なり合う1作。

◎舞台挨拶
▶︎12/14(木)17:10の回 上映後
 ビデオメッセージ:カタリーナ・アウヴェス・コスタ監督
▶︎12/20(水)9:40の回 上映後
 ビデオメッセージ:カタリーナ・アウヴェス・コスタ監督

 

  • マーゴット(Margot)
    マーゴット(Margot)
  • マーゴット(Margot) 上映時間72分

    ポルトガル植民地時代のモザンビーク北部の生活を記録したドイツの音楽家/民族音楽学者 マーゴット・ディアスが残したノート、写真、記録映像。そこには史上初となるマコンデ族文化の映像と音が記録されている。監督はこれらの資料をモザンビークの人々の元へ持ち帰り、現代のミュージシャンやアーティスト、新しい世代の人々とともに、植民地時代の歴史を振り返る。マーゴットの言葉から彼女の人生と仕事をうかがい知る。

    2022年/72分/ポルトガル

監督のことば

本映画は異なるレイヤーによって成り立っています。まずマーゴット・ディアスによってモザンビーク旅行中に記録された最初の映像。次に私がモザンビークへの旅行中に彼女が撮影したしぐさや伝統、かご細工や陶器類、音楽家や楽器を探して撮影した映像。最後に私が若い学生でマーゴットが90歳だった1996年に私がビデオに撮影したマーゴット・ディアスとの長い会話です。このドキュメンタリーで、私達は最初の撮影が行われたポルトガル統治下でのモザンビークの状況を次第に解明します。マーゴット・ディアス手書きのノート、録音、写真から、私達は前例のない物語、奇妙な長い冒険を元にした奇妙な人生の物語、そしてそれに関して何が意図的に隠されたのかということを探し始めました。これら全てのレイヤーはマーゴットの影の中で、私が監督として提示した多くの問いに対する答えを探し求める個人的で主観的な物語によって繋がれています。マーゴットがモザンビークと出会ったこと、私達がお互いに出会ったこと、私が同じ国で彼女を通してどのように見ているかを次第に考える様になりました。現在マプトの郊外に暮らすマコンデ族と出会い、彼らの歴史の一部を彼らに返したとき、私は思いがけない反応に出会いました。それはマーゴットの映像や写真がこれらアフリカの強い民族アイデンティティを呼び起こしたという事でした。

監督プロフィール

  • カタリーナ・アウヴェス・コスタ(Catarina Alves Costa)
  • カタリーナ・アウヴェス・コスタ(Catarina Alves Costa)

    映像作家、人類学者。『Margot』以外のこれまでの監督作品は、「Pedra e Cal」 (2016)「Falamos de António Campos」(2010)。「Nacional 206」 (2009)「O Arquiteto e a Cidade Velha」 (2004)「Senhora Aparecida」(1994) 、また共同監督作品として「recently co-directed A Ramadan in Lisbon 」(2019)など。また受賞歴として、Recife Ethnographic Film Festivalでベスト・ドキュメンタリー賞、Caminhos do Cinema Portuguêsで批評家賞、Bilan du Film Ethnographiqueでプラネット賞、Society for Visual AnthropologyとAmerican Anthropological Association Film Festivalでエクセレンス・アワード、VII Rassegna Internazionale di Documentari Etnografici festivalでの優勝など。2022年には書籍「Cinema e Povo」を刊行した。