東京ドキュメンタリー映画祭2022
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追悼 岩崎雅典 海人と山人の民俗

上映作品

特別人類学・民俗映像部門特別上映作品
追悼 岩崎雅典 海人と山人の民俗 上映時間108分

12月21日(木)10:00

「福島 生きものの記録」シリーズで知られ、2021年に逝去した岩崎雅典監督。トカラ列島の中之島で、20年ぶりの丸木舟づくりにかける人々の情熱を追った『最後の丸木舟』。秋田県の山深く、マタギたちの緊張感あふれるクマ狩りを通して、山人の精神を描いた『又鬼』。1970年代以降に、日本列島の南北で特筆すべき民俗文化を持ち伝えていた海と山の人々の生活の息吹をフィルムに焼き付けた初期2作品を追悼小特集として上映する。

◎舞台挨拶
▶︎12/21(木)10:00の回 上映後
 登壇:北村皆雄(ドキュメンタリー映画監督)、明石太郎(『最後の丸木舟 吐噶喇列島中之島の記録』『又鬼』撮影)

  • 最後の丸木舟 吐噶喇列島中之島の記録
    最後の丸木舟 吐噶喇列島中之島の記録
  • 作品1

    最後の丸木舟 吐噶喇列島中之島の記録 上映時間55分

    鹿児島県の離島、トカラ列島の中之島で、漁に用いる伝統的な丸木舟づくりを記録。大木を倒し、山から降ろし、舟の形に削り出す。20年ぶりとなる丸木舟づくりに男たちは情熱を傾け、女たちが支え、過疎を迎えつつあった集落がにわかに活気づく。完成した舟が進水の儀礼を終えると、島でナガサイと呼ばれる魚(ダツ)の活気溢れる追い込み漁が9年ぶりに復活する。
    ©︎群像舎

    1977年/55分/16㎜→ビデオ/日本

  • 作品2

    又鬼 上映時間53分

    東北の山間部に集落をつくり、狩猟をなりわいとして来たマタギ。そのふる里と呼ばれる秋田県阿仁地方に3年間通い、十数回狩りに同行して、マタギたちの伝える技術や山の哲学を記録した。特に、広大な山のなかで男たちが連携してクマを追い詰めていく緊張感あふれる狩りの様子は圧巻。収穫への感謝、獲物の分配などに、山人の精神が垣間見える。
    ©︎群像舎

    ※上映素材に由来するノイズが見られますが貴重作品のため何卒ご了承ください。

    1982年/53分/16㎜→ビデオ/日本

監督プロフィール

  • 岩崎雅典
  • 岩崎雅典

    記録映画監督・ディレクター。1940年秋田県生まれ。早稲田大学探検部出身。北斗映画、岩波映画製作所などで演出に携わったのち、群像舎を設立。野生生物の生態に迫った特異な記録映画やテレビ番組を制作しつづける。2011年の東日本大震災の後は、原発事故が生態系に及ぼす異変を追った「福島 生きものの記録」シリーズの制作と公開に生涯を捧げた。2021年7月逝去。

    photo by 明石太郎