東京ドキュメンタリー映画祭2022
東京ドキュメンタリー映画祭上映作品 > アフター・ミー・トゥー

上映作品

特集アフター・ミー・トゥー 上映時間85分

12月9日(土)14:30

  • 2017年秋、世界中に広がった「#Me Too」キャンペーン。この、性暴力の被害体験を「#私も」というハッシュタグとともにSNSに投稿する運動は、フェミニズムの気運が高まっていた韓国でも2018年以降大きく盛り上がった。それから3年後の2021年。かつての熱気が落ち着いた「#Me Too」は、どのような状況にあるのかー。ドキュメンタリー映画『アフター・ミー・トゥー』は、「#Me Too」の“その後”を4つのテーマで映し出す。

    監督:パク・ソヒョン、イ・ソミ、カン・ユ・ガラム、ソラム
    プロデューサー:パク・ヘミ、ナム・スナ|企画:カン・ユ・ガラム、パク・ヘミ、ナム・スナ
    製作:「アフター・ミー・トゥー」プロジェクトチーム
    配給:ストロール

    ©2022 GRAMFILMS. ALL RIGHTS RESERVED

    2021年/85分/韓国/原題:애프터 미투

監督のことば

上映オファーをいただきありがとうございます。映画祭の経緯を聞き、私たちの作品の上映がどのような意味を持つのか、製作陣で議論しました。すでに被害者の方が亡くなられているという事実に深い悲しみを感じます。そして、この事案の深刻性に問題意識を持ち、それぞれの立場で解決するために動いて悩んだはずの運営陣にも共感の気持ちを伝えたいと思います。加害者とされる人物は懲戒を受け、映画祭を去ったことも知りました。 映画を上映することは、免罪符を与えるのではないかと心配もしました。ただ、私たちの映画が東京ドキュメンタリー映画祭で上映され、その問題に再び目が向けられる機会になれば、観客の方々にまた別の問いを投げかけ、考える場となるのではと思いました。そこで上映オファーを受けることに決めました。上映を通じて、日本の観客の皆さんにも、MeToo運動の意義や被害者が日常に戻るための議論が広がることを願っています。

監督プロフィール

  • パク・ソヒョン、イ・ソミ、カン・ユ・ガラム、ソラム
    パク・ソヒョン(左上):
    30 代の⼥性たちの連帯をテーマにした『夜勤の代わりに編み物』(2015年/⽇本未公開(以下同))が第18回ソウル国際⼥性映画祭で受賞し、本格的に監督としての活動を開始する。以後、『転がる⽯のように』(2018年)、『砂漠を渡って湖を通って』(2019 年)などドキュメンタリー制作者として繊細で温かい視線で世界を描いてきた。⼥性の労働、体、⽇常などをテーマに⼥性たちの姿を撮り続けている。

    イ・ソミ(右上):
    セクハラを受けた数年後、⾃⾝の感情と向き合う姿を追った短編『観察と記憶』(2017年/⽇本未公開(以下同))が第36回釜⼭国際短編映画祭にて最優秀作品賞を受賞。その後、国内の「性少数者を持つ親の会」の活動を追い話題となったドキュメンタリー映画『君への道』(2021年)の撮影を担当するなど、今後が期待される次世代ドキュメンタリストの⼀⼈である。

    カン・ユ・ガラム(左下):
    1950年代に⼈気を博した⼥性のみの唱劇「⼥性国劇」をテーマにした⻑編ドキュメンタリー『王⼦になった少⼥たち』(2013年/⽇本未公開(以下同))に助監督として参加し、ドキュメンタリー制作のキャリアを開始。その後、独⾃の視点でフェミニズムをテーマにした作品を制作している。フェミニストたちの歩みを追った『私たちは毎⽇毎⽇』(2021 年)は、第45 回ソウルインディペンデント映画祭で審査員賞を受賞し⾼く評価された。

    ソラム(右下):
    かつて韓国で⻑く続けられた「夜間通⾏禁⽌令」のように、夜の外出を禁⽌された⼥性たちの姿を追った映画『通⾏禁⽌』(2018年/⽇本未公開(以下同))を演出したソラム監督は、⽇常⽣活で起こる不条理な体験や抑圧をリアルに描き、⼥性たちの共感を集める。韓国社会で依然として⼥性が遭遇する困難を描く。