東京ドキュメンタリー映画祭2022

上映作品

短編当世大学事情 上映時間106分

12月4日(水)14:35 / 12月8日(日)12:35

“フルコロナ世代”の学生たちの4年間を総括する『さよなら大学』。学歴を得るために日本留学を決めた、中国男性の思いに肉薄する『インボリューションと学歴社会』。自身の整形体験をもとに、日常で感じる違和感をアニメーションとして象徴的に表現する『私は、私と、私が、私を、』。世界の揺れ動きの中で若者たちは何を思うのか。

  • 私は、私と、私が、私を、
    私は、私と、私が、私を、
  • 作品1

    私は、私と、私が、私を、 上映時間7分

    ある日突然自分の姿が奇妙なものに変わってしまった私。私は何度も皮を剥がし、元の姿に戻ろうと試みる。

    2024年/7分/日本

監督のことば

自分が思う自己と他者から見える自己には大なり小なり差が存在する。例えば自分自身が自分は愛嬌がある人間だと思っていても、他者からは不愛想な人間だと認識されていたり、自分では大したことないと思っている出来事が、他者から大事のように扱われ心配されたりする。
この作品では、そうしたあらゆる場所にあるズレを自身の整形体験を元に表現した。

監督プロフィール

  • 伊藤里菜
  • 伊藤里菜

    2000年生まれ。2019年東京造形大学アニメーション専攻入学。

  • 作品2

    インボリューションと学歴社会 上映時間39分

    急速な市場化と都市化が進む中国では家賃や教育費が高騰しているが、結婚や出産、親の面倒を見る伝統的な観念は残っている。この中で「良い大学に進み、良い仕事を得ることが『勝ち組』」という考えが広まり、SNSでは競争に疲れた人々を指す「内巻」が流行。多くの若者は競争から脱却するために、留学を選んでいる。日本にいる2人の中国留学生を密着し、彼らの学業や就職の悩みを記録し、現代中国の若者が抱える困難を浮き彫りにする。

    2022-24年/39分/日本・中国

監督のことば

本作品で記録された2人の中国留学生が直面している困難は、私自身も同様に感じています。彼らは今の中国の多くの若者の縮図かもしれないと思うこともあります。撮影を通じて、内巻の解決策を探し、観る人々に何らかの助けとなることを目指しました。少なくとも、ドキュメンタリーの中の2人を通じて、観客が自分の道について考えるきっかけになればと思っています。

監督プロフィール

  • ト・コクゴウ(户国豪)
  • ト・コクゴウ(户国豪)

    1996年、中国の江西省九江市で生まれ、2019年に中国の大学でアナウンス専攻を卒業。2024年に日本大学大学院芸術学研究科映像芸術専攻放送分野を卒業。新卒として日本で就職した。本作『インボリューションと学歴社会』は監督として初めての作品である。

  • 作品3

    さよなら大学~コロナ禍の学生たち~ 上映時間60分

    2020年、新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るい、4月には日本で緊急事態宣言が発令された。この春に入学した大学生は入学式がなく、多くの講義はリモート形式で行われた。サークル活動やキャンパスライフを楽しむ機会もなく、「何のために大学に入学したのか?」「大学は本当に必要なのか?」と自問する日々を送っていた。この作品は、厳しい行動制限の中で大学生活を送った“フルコロナ世代”の大学生の記録である。

    2024年/60分/日本

監督のことば

この作品は、関西大学社会学部メディア専攻の私のゼミ生17人(2024年3月卒業)が2年間をかけて制作しました。ほとんどの学生にとって、ドキュメンタリー制作は初めての経験でしたが、撮影や編集に悪戦苦闘しつつ、コロナ禍で抱いた大学や社会に対する疑問を作品に込めました。現代の学生たちが織りなす群像劇をご覧ください。

監督プロフィール

  • 斉藤潤一
  • 斉藤潤一

    関西大学社会学部教授。元東海テレビディレクター。主な映画作品に『平成ジレンマ』『死刑弁護人』『約束~名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』など。

  • 公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
  • 芸術文化振興基金助成事業
  • エトノスシネマ