上映作品
人類学アフリカ/東京 上映時間88分
12月1日(日)12:40 / 12月12日(木)11:40
北アフリカ・モロッコの、精霊と繋がりトランス状態を作り出す伝統的な音楽儀式「グナワ」に日本人が参加し、憑依の様子を記録した『グナワとの遭遇』。東京・葛飾区や墨田区のエチオピア人コミュニティを取材し、エチオピア人同士や地域住民との交流を描いた『つながりを生きる』。日本とアフリカの距離が縮まる2作品。
◎舞台挨拶
▶︎12/1(日)12:40の回 上映後
登壇:栗村実監督、稲垣力さん(『グナワとの遭遇』プロデューサー)
▶︎12/12(木)11:40の回 上映後
登壇:川瀬慈監督(*予定)
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作品1
グナワとの遭遇 上映時間40分
モロッコの伝統的、そしてスピリチュアルな音楽儀式「グナワ」。短いフレーズを繰り返す音楽と歌と踊りが誘発するトランス状態を通じて精霊と繋がりセラピー的効果を発揮するとされるこの「グナワ」の核心を、実際の儀式の一員となって撮影した映像および、様々な世代のグナワマスターへのインタビューを織り交ぜて紹介し、映像を通じて観客に”トランス”の感覚を体験してもらうことを目指す。
2023年/40分/日本、モロッコ/原題:Gnaoua Encounter
監督のことば
これまでの長編劇映画2作品では仏教的な救済を主題にしてきましたが、友人を通じてグナワというシャーマニズムを根底に持つスピリチュアルな伝統音楽儀式を知る機会を持ち、仏教とはまた異なる救済へのアプローチに興味を持ちました。本作は、あたかもグナワの儀式の輪に入ったような臨場感を得られる映像体験の提供を目指して撮影・編集されています。是非、劇場の大画面と大音響で、トランスへと誘う音楽儀式を体感して下さい。
監督プロフィール
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栗村実
コロンビア・カレッジ・ハリウッド映画学科修了後、初の⻑編監督作品『飯と乙女』がモスクワ国際映画祭で NETPAC賞を受賞、ベルリン国際映画祭でも公式上映。広末涼子、稲垣吾郎を主演に迎えた第2作『桜、ふたたびの加奈子』は台湾・金馬映画祭に招待された。
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作品2
つながりを生きる 東京のエチオピア移民 上映時間48分
日本社会には、世界のさまざまな地域や文化にルーツを持つ人々が住んでいる。
その中でもアフリカからの移民の生活や活動は広く知られていない。東京都葛飾区と墨田区には、200人近いエチオピア人が住んでいる。彼ら、彼女らはエチオピア正教会の集会でつながり、同国の音楽や食事を通じて地域住民と交流を行う。本作では、エチオピア人が自分たちの文化を守りながら、日本社会に根を下ろしつつある姿をとらえる。2024年/48分/日本/原題:Living in Connection - Ehiopians in Tokyo -
監督のことば
高齢化や人口減少に伴う労働力不足を解決するために活用する「外国人材」という視点ではなく、日本社会を創造的かつ、豊かに読み替えていく主体としての移民に目を向け、歩み寄り、そこから共生の未来について考えていくことは可能でしょうか。
監督プロフィール
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川瀬慈
詩人・人類学者。国立民族学博物館教授。アフリカ、主にエチオピアの音楽や宗教をテーマに民族誌映画を制作。主な作品に『Room 11, Ethiopia Hotel』、『僕らの時代は』、『ラリベロッチ -終わりなき祝福を生きる-』、『精霊の馬』、『吟遊詩人-声の饗宴-』。オンラインジャーナルTRAJECTORIAの編集を行う。