東京ドキュメンタリー映画祭2022

上映作品

長編晩夏ノ蝉 上映時間68分

12月10日(水)14:40/12月13日(土)11:40

  • 中国貴州省の少数民族・トン族が住む岩洞村では、男耕女織の自給自足の暮らしと「大歌」の伝統が今も息づいている。だが都市化と情報化の波は村にも及び、若者は都会の生活に憧れる。呉良植もその一人だ。呉は、大歌に育まれた記憶を胸に、伝統を背にしながら都市で未来を切り開こうと決意する。ひと組の夫婦の奮闘やすれ違いを通して、現代中国の伝統への視線や家族観を問う。

    2025年/68分/日本

監督のことば

私は貴陽で生まれ、母のトン族の村から遠く育った。都市で暮らしながら、伝統はいつも遠い影のようだった。カメラを手にしたのは文化保存ではなく、自分の居場所を探すため。トン族の一家を追う中で、儀式や笑いに埋もれた自分を見つけた。これは民族誌でも懐古でもない。世代と村と都市、過去と現在の自分との対話だ。小さな声でも、正直なら境界を越えて響くと信じている。

監督プロフィール

  • 鄧茂榮(トウ・モエイ)

    中国貴州省生まれ。日本映画大学在学中に卒業制作として生まれた作品『晩夏ノ蝉』から、新たに再撮影・再編集を行い本作を完成させた。

  • エトノスシネマ