上映作品
人類学・民俗映像人類学・民俗映像F 上映時間88分
12月12日(金)10:00/12月18日(木)12:50
ルワンダのトゥワの家族に突如起きた喧嘩が、やがて収束し、皆で踊り出すまでのリズムをワンカットで記録した『ドッグ・シット・フード』。『ブズカシ ―男の地のアティルキュル―』はクルグズ(キルギス)の男たちが、頭を落としたヤギの胴体を馬上で奪い合う伝統遊戯。その背後にある、馬の飼育から生活のサポートまで、様々な局面で活躍する女性の存在にカメラは注目する。
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作品1
ドッグ・シット・フード 上映時間23分
ワンショットに響く無数の声―カメラをはさんで、トゥワ・ピグミーの人たちと人類学者が即興的に自分たちの存在を紡ぎ合わせるとき、怒りに満ちた暴力は突如、音楽へと変貌し、幸せがやってくる。
2025年/23分/日本
監督のことば
自分の撮影スタイルを手放し、トゥワの人たちが撮られたいがままに任せよう——その諦めの到達点が『ドッグ・シット・フード』だった。20分間、カットのない映像に映し出されているのは、トゥワの人たちと私がともに過ごした時間と空間、そして私たちのあいだに生まれた感性と倫理である。この分断の時代において、私たちはどのように他者と共に生きることができるのか。この映画とともに、その問いを考えていきたい。
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作品2
ブズカシー男の地のアティルキュルー 上映時間65分
クルグズの広大な平原。男たちは何世紀にもわたって「ブズカシ」という伝統遊戯を繰り広げてきた。馬に乗ったままライバルチームから死んだヤギのトロフィーを奪い取る、男社会を象徴するような競技に参画したのは、進取の気性に富んだ女性、アティルキュル。地元の男たちで自分のチームを結成する夢を持った彼女は、馬の売買に挑み、時には選手たちのアドバイザーとして、指導や食事、資金提供を行う。快活な彼女の生きざまを通して、社会の変化を問う。
2023年/65分/クルグズ(キルギス)
監督のことば
この映画制作の原動力となったのは、主人公アティルキュルが体現する揺るぎない精神です。彼女は野生の呼び声に耳を傾けながらも、クリスチャン・ディオールのファッションに喜びを見出し、「男の脳を盗む」ことにもためらいがありません。時につまずきながらも、揺るぎない信念を持ち続け、常に前進し続けます。残念ながら、今日、キルギスは女性にとって最も困難な場所の一つと見なされています。この映画を通して、私は母国を、苦難を通してだけでなく、私たちの社会を形作る不朽の精神、粘り強さ、愛、そしてパートナーシップを通して描きたいと願っています。この映画は、女性の強さと、困難を乗り越えようとする私たちの共通の夢への、ささやかな賛辞です。
監督プロフィール

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ジャヌル・ジュスプジャン(Janyl Jusupjan)
クルグズ生まれ。アルマトイで文学を学ぶ。ラジオ・フリー・ヨーロッパのキルギス支局で20年間ジャーナリストとして働いた後、2015年からインディペンデント・ドキュメンタリーの制作を始める。






