東京ドキュメンタリー映画祭2022

上映作品

長編共和国 上映時間106分

11月30日(土)16:45 / 12月9日(月)12:00

  • 北京の片隅にある「共和国」と呼ばれる小さな部屋。ヤンとその友人たちは、サイケデリックな照明の下、酒を飲み、音楽を奏で、理想を語り合う。ここには時間の感覚も現実生活の重荷もないが、オンラインローンでこの場を維持するヤンには、借金の現実が重くのしかかる。ライフスタイルの変貌を余儀なくされるなか、「共和国」は維持できるのか!? 同じ空間に居続けるカメラが、「富国」と「強国」の幻想から解放された現代中国の若者たちを軽やかに映し出す。

    2023年/106分/中国・シンガポール/原題:Republic

監督のことば

私は友人に「共和国」に連れて行ってもらい、ヤンに意図を説明した後、その日のうちにカメラを回し始めた。「共和国」の人々は、共産主義を信奉する一方で、無名主義、神道、ヒッピー的なライフスタイルを受け入れている。このような生き方は、中国の急速な経済成長と深く結びついており、高等教育と富が強い国家という幻想を生み出している。都市化と消費主義が社会を席巻し、外国嫌いのナショナリズムが言論を支配した結果、精神的な混乱が若者を襲っている。孤独と迷いを感じた彼らは、圧倒的な社会的圧力からの逃避先として、「共和国」に逃げ場を見いだすのだ。

監督プロフィール

  • ジン・ジャン(晋江)

    Jin Jiang
    1989年洛陽生まれ。現在は日本を拠点に活動する中国のインディペンデント・ドキュメンタリー作家。社会に対する鋭い洞察力とユニークな語り口で知られ、その作品は国際的な評価を得ている。長編デビュー作『Shang Ajia(シャン・アジャ)』(2017)は北京インディペンデント映画祭で審査員賞を受賞し、TIDFを含む複数の国際映画祭に出品された。短編『One Day』(2020)はIDFAのメインコンペティションにノミネートされ、本映画祭でも上映された。本作 『共和国』(2023)は、第28回釜山映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞し、ベルリンとMoMAに出品された。

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