東京ドキュメンタリー映画祭2022
東京ドキュメンタリー映画祭上映作品 > ロシア北方民族の今

上映作品

人類学ロシア北方民族の今 上映時間99分

12月5日(木)12:40 / 12月11日(水)14:15

ロシア少数民族の現状と、自然と共に生きる生活を知る2本。ナナイ族の老漁師がライフヒストリーや大規模漁業により生活の糧である魚が減っている現状を語る『アンバ』。『ターニャの夏と冬』では人里離れた自然の中で暮らすハンティ族のターニャが夏と冬にのみ寄宿舎から帰ってくる子供たちに様々な猟や自然の知恵を教える。

  • アンバ
    アンバ
  • 作品1

    アンバ 上映時間18分

    アムール川沿いの辺境の村で暮らすナナイ族の男。長年漁業を営み、この地で家族と昔から受け継がれてきた生活様式に従い暮らしてきた。しかし生活は苦しく、過疎化が進むなか、近年はロシア政府の漁業規制により、一家の暮らしはさらに厳しくなった。何度も移住を勧められているにもかかわらず、彼はここを離れるつもりはないという。彼の話を聞いた。

    2023年/18分/ロシア/原題:AMBA

監督プロフィール

  • ヴァレーリー・パブロービッチ・ウスコフ
  • ヴァレーリー・パブロービッチ・ウスコフ

    Valerii Pavlovich Uskov
    監督、撮影監督。ロシア、ハバロフスク地方トポレボ村出身。まったくクリエイティブでない家庭に生まれたが、18歳のときモスクワに移り、そこで撮影の勉強を始めた。現在は監督兼撮影監督としてミュージックビデオ、短編ドキュメンタリー、長編映画を撮影しているほか、資金を求め、船上でドキュメンタリーを制作することを夢見ている。

  • 作品2

    ターニャの夏と冬 上映時間81分

    西シベリア北部に住む少数民族ハンティ族であるターニャと、その家族の生活を描いたドキュメンタリー。タチアナ・セミニャコフ(ターニャ)は、読み書きを学ぶ前に、森の言語と狩猟の哲学を学んだ。彼女の先祖は、太古の昔からこの土地で釣りや狩猟をしながら暮らしてきたのだ。彼女は祖父母にすべてを教えられ、自分で捕まえたものを食べ、自分で縫ったものを着て、自分で作った家に住む。自給自足の生活なのだ。

    2023年/81分/ロシア/原題:Tanya. Summer. Winter.

監督のことば

民族の消滅は新しい問題ではない。何十年もの間、映画監督たちはこのテーマに取り組んできた。あと50年も経てば、ハンティ族とマンシ族はすべて離散し、これらの民族は存在しなくなるかもしれない。ソビエト政府は彼らと土地、伝統とのつながりを断ち切ってきたため、シベリアのウグラ地方にはもう本物のシャーマンはいない。私たちは問題を凝視し、民族の消滅のプロセスを止めるための対策を講じる必要がある。そうでなければ、誰も彼らと話すことさえできなくなるだろう。

監督プロフィール

  • アレクサンドル・アヴィロフ
  • アレクサンドル・アヴィロフ

    Aleksandr Avilov
    1972年レニングラード生まれ。サンクトペテルブルク国立映画大学の監督・制作学部を1997年に卒業し、サンクトペテルブルクドキュメンタリー映画スタジオでカメラマン助手および助監督として勤務。1998年より全ロシア放送の中央チャンネルで監督として勤務。これまでに100本以上のドキュメンタリーやテレビ番組を撮影してきた。

  • 公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
  • 芸術文化振興基金助成事業
  • エトノスシネマ