東京ドキュメンタリー映画祭2022
東京ドキュメンタリー映画祭上映作品 > マダガスカル:くらしの知恵

上映作品

人類学マダガスカル:くらしの知恵 上映時間69分

12月5日(木)14:50 / 12月12日(木)10:00

厳しい自然に対応したマダガスカルの生活技術を紹介する2作品。『マハンピー いのちの素材』は、葦の葉を採取し、繊維を織り込んでマットを作り上げてゆく過程を記録。『マモディ 最後のバオバブ掘り』は、バオバブの巨木の内部をくり抜いて貯水タンクを作り、過酷な乾季の生活用水を確保する様を描く。

  • マハンピー いのちの素材
    マハンピー いのちの素材
  • 作品1

    マハンピー いのちの素材 上映時間19分

    「マハンピーは、太古の昔から今に至るまで、マダガスカルの人々をはぐくむ素材であった。」葦織り職人のラヴォラソア・ジャクリーンは、マハンピー(葦の葉)の重要性をこう説いている。マハンピーで作られたマットは、世代を超えて人生を支えており、マダカスカルの人々はマットの上で生まれ、死者はマットに包まれるのだ。この映画は、材料の収穫から織り、仕上げ、市場への出荷まで、ジャクリーンがマットを作る過程を追いながら彼女の技術を振り返り、素材と職人の関係をたたえるものである。

    2021年/19分/イギリス/原題:Mahampy, material of life

監督のことば

「マハンピー いのちの素材」は、主人公ラヴォラソア・ジャクリーンとの継続的な関係から生まれました。人類学の博士号取得を目指し始めたとき、私は彼女のもとで織物の見習いをしました。ジャクリーンは素晴らしい教師であり、明快なコミュニケーション能力を持ち、熟練した職人です。しかし、マダガスカルの田舎に住むほとんどの女性と同様、彼女は自分の知識を共有する場を持ったことがありませんでした。年長者として、彼女はこの先祖伝来の工芸の重要性とそれに対する彼女の貢献を伝える必要性を切実に感じていました。私は、映画を使って、彼女が自分の言葉で自分の物語を語れる場を作ろうと思いました。

マダガスカルについてよく聞く話は、環境の悪化と貧困に関するものです。これらは重要な問題ですが、地元の人々には、あまり知られていないポジティブな話もたくさんあります。私は観客に、工芸の実践の普遍的な経験を反映した、技術、熟達、献身、美しさの物語を見ていただければと思います。

監督プロフィール

  • サラ・エミリー・ブラウン
  • サラ・エミリー・ブラウン

    Sarah Emily Brown
    スコットランドのハイランド地方を拠点とする映画製作者、人類学者、ビジュアルアーティスト。2012年に、数年間住んでいたマダガスカルのサント・リュスに刺繍協同組合を設立する。人類学の博士号取得の一環として、サント・リュスで女性職人と協力し、映画を使った女性の物語を探求し始めた。本作が初の映像作品。

  • 作品2

    マモディ 最後のバオバブ掘り 上映時間50分

    マダガスカル南西部のマハファリ高原は、極度に乾燥した土地。ここでは、雨が降るのは年に数回だけ。このような非常に厳しい生活環境の中、アンポタカの小さな村の住民は、水を貯めるユニークな方法を見つけた。




    2022年/50分/フランス/原題:Mamody, the last baobab digger

監督のことば

マダガスカルで訪れた場所の美しさにインスピレーションを受け、2015年に初の映画『陸と海の間のバオバブ』を監督・制作しました。その成功に励まされ、それ以来、現在に至るまでドキュメンタリー映画制作と、写真および出版のプロジェクトに取り組んでいます。

監督プロフィール

  • シリル・コルニュ
  • シリル・コルニュ

    Cyrille Cornu
    研究者、映画製作者、博物学者。バオバブに深い情熱を抱き、このテーマに関する複数の本の著者でもある彼は、このそびえ立つ巨木を研究するため、マダガスカルの最も奥地にある森への探検を毎年企画している。

  • 公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
  • 芸術文化振興基金助成事業
  • エトノスシネマ