東京ドキュメンタリー映画祭2022
東京ドキュメンタリー映画祭上映作品 > 身体と空間 〜舞踏の世界〜

上映作品

特別身体と空間 〜舞踏の世界〜 上映時間68分

12月4日(水)19:05

3人の女性ダンサーが、都市・バルセロナと身体で対話する『ウルバ・テラ・バルセロナ』。87歳を迎えた伝説的な舞踏家の公演に肉薄する『美しき老体 三浦一壮』。エジプトで “間”という概念から人間の存在に対峙する『間 -ma-』。女性の苦悩と解放を、家屋を彷徨する姿を通して探求する『七つの微笑』。舞踏とは。身体とは。

◎舞台挨拶
▶︎12/4(水)19:05の回 上映後
 登壇:猪鼻秀一監督、万城目純監督
 ビデオメッセージ:ヘイケ・セルザー&アナ・ベーア監督
 レターメッセージ:ミカエル・モーリッセン監督

  • ウルバ・テラ・バルセロナ
    ウルバ・テラ・バルセロナ
  • 作品1

    ウルバ・テラ・バルセロナ 上映時間5分

    スペイン、カタロニア地方の首都バルセロナに興味をそそられた 3人の女性が、地中海の大都市の、活気ある雰囲気に浸ります。ストリートアートの壁画、色鮮やかなモザイク、前衛的な歴史的建築物との対話の中で、ダンサーたちは公共空間のデザインと、そこに住む人々の日常生活の流れに心を動かされます。

    2024年/5分/スペイン/原題:Urbá Terra Bartzelona

監督のことば

私たちは、印象的な場所やそこに付随する物語からインスピレーションを得て、場所に特化した学際的な作品を制作しています。都市と田舎の風景を観察し、目に見えないもの、中間にあるもの、変化しているものを発見しようとしています。感覚の中心に身体を置き、本能的な対話で環境と関わることで、場所の雰囲気を捉え、それを映像として具体化させているのです。

監督プロフィール

  • ヘイケ・セルザー&アナ・ベーア
  • ヘイケ・セルザー&アナ・ベーア

    WECreate Productionsは、スクリーン・ダンス・アーティストのアナ・ベーア(メキシコ / 米)とヘイケ・セルザー(独 / 英)によるユニット。 共同創作に役立つデジタル技術の可能性を探求し、ランドスケープ、場所、その地に固有の物語に基づいた、学際的な作品を制作している。

  • 作品2

    野生の老体 三浦一壮 上映時間15分

    三浦一壮は、伝説的な87歳の舞踏家です。ナンシー国際演劇祭において日本人として初めて舞踏家として舞台に上がった人物です。長らく国際的な画商として活躍されていましたがバブル崩壊により実業界から身を引き、30年にも及ぶあまりにも長い沈黙を保っておられました。しかし、80歳を超えて舞踏の舞台に奇跡の復活を遂げた方でもあります。この作品は、オーバー75歳の舞踏家4人を集めた究極の舞踏公演「美しき老体」における、三浦一壮の光と影を凝縮させた記録映画です。

    ©SHUICHI INOHANA

    2024年/15分/日本

監督のことば

私は、映画監督・現代美術作家・舞踏家ですが舞踏を今はなき土方巽記念アスベスト館と大野一雄舞踏研究所で学びました。三浦さんの舞踏を撮影させて頂いておりますが彼の舞踏は、見惚れてしまう程、格好いいんです。私の叔父や叔母の年代ですが87歳にして衰えぬ色気があり、未だ女性にモテる方で彼は、広尾を歩いていて女性から逆ナンされたりもします。まだ、密着して間もないので納得行くまでずっと一壮さんを撮らせて頂きます。

監督プロフィール

  • 猪鼻秀一
  • 猪鼻秀一

    映画監督・現代美術作家・舞踏家。法大中退、京芸短大専攻科映像修了、京造大学において学士単位修得。(映画)アドリア国際映画祭実験映画賞、シカゴ・フィルム・アワード賞候補、ダンス・カメラ・イスタンブール映画祭入選、ほか上映を果たした映画祭としては、ベルリン国際短編映画祭、パリ国際短編映画祭、パレルモ国際映画祭、プラハ実験映画祭など。

  • 作品3

    間 [ma] 上映時間23分

    4人のダンサーは、個人的な記憶と現代の環境をダンスによってリンクさせ、それによって私たちが生きる空間や時間とは何かを探求する。人間の主観が容易に変化する世界において、では最後に残るものは何か。自己と現実、記憶と夢、空間と時間が交差するなかで見えてくる光景から、その「答え」の萌芽が観客の前に現れる。




    2024年/23分/エジプト/原題:間 [Ma] the space in between

監督のことば

私はダンスを身体と環境の間の交渉、相互接続、ハイブリッドな表現形式のための空間だと理解しています。ダンスという媒体から、文化的に多様な社会のアイデアが生まれると考えます。私は特にダンスと異文化の間で体験できる、多様な相互接続と対話の空間に興味があります。たとえば文化の移転、移住、ジェンダーなどの方法論や理論からでも、ダンスに関する異文化の視点を語ることもできますし、さらにダンスの実践は、社会的、政治的な紛争地帯で抵抗と変化への行動を即す強力な手段にもなりうるのです。

監督プロフィール

  • ミカエル・モーリッセン
  • ミカエル・モーリッセン

    Michael Maurissens
    ドイツを拠点とするベルギーの振付師、映画製作者、文化実践者。彼は、コミュニケーション、建築、振付、紛争解決などの分野との接点で対話を促進する、現代舞踊における集団創作手法の開発に焦点を当てた MichaelDouglas Kollektiv を設立。映画や実験的なビデオ作品の監督と制作、パフォーマンスの記録、アートプロジェクトの共同作業、世界中でスクリーンダンスワークショップの主催を行っている。

  • 作品4

    七つの微笑 上映時間25分

    『七つの微笑』はステイホームの閉塞状況下で制作開始した「チェンチの娘たち」の第3作。チェンチ一族の逸話や諸作品をベースに、現代に生きる貧困と虐待の中、尊属殺人の罪で罰せられるべアトリーチェの苦悩と解放を、ノンバーバルな映像と舞踏表現で描く。2010年から継続する「丸ごとの生( 別枠の人生 )」をとらえる映像シリーズ 《PERFORMATIVE LYFE》2024年版。

    2024年/25分/日本

監督のことば

少女の頃の身体的記憶。閉ざされた家から脱出しようとして拘束され、理由がわからず微笑んでいた意味を検証する。果たして微笑は誰に向けられたものか?それは、やがて来る父親の運命を見送り、やがて自分にも押し寄せる苛酷な運命を明日変えるための決意として、しっかりそこにある。

監督プロフィール

  • 万城目純
  • 万城目純

    映像:IMAGE FORUM FESTIVAL‘97大賞、バンクーバー(カナダ)、ロッテルダム(オランダ)、ブリスベン(オーストラリア)、ロンドン(イギリス)など国内外の国際映画祭に招待参加。身体表現:ダンス:カンパニー「ホワイトダイス」を舞踏家・相良ゆみと共同主催。韓国・ドイツ・イタリア・イギリスなどの国際プロジェクトに招待参加。

  • 公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
  • 芸術文化振興基金助成事業
  • エトノスシネマ