東京ドキュメンタリー映画祭2022

上映作品

長編村で生きる 上映時間102分

12月8日(月)10:00/12月14日(日)14:10

  • 草原が幾重にも重なり、赤褐色の牛たちがのんびりと草を食む。ここは阿蘇連山を南に遠望する熊本・産山(うぶやま)村。信号機もコンビニもない小さな村に“あか牛の神様”といわれる牛飼いがいる。井 信行さん(86)は、結核を患った父に代わり中学卒業と同時に就農。「牛は草で育つのが本来の姿」を信念に、牛と人と草原がつながる循環の形を守り続けてきた。しかし年々あか牛は減り、村は過疎が進み、“がまだしもん”だった妻も亡くなった。それでも変わらぬ村への想いを抱く信行さんと、偉大な背中を見てきた息子・雅信さん。親子の日々を見つめた。

    ◎舞台挨拶

    2024年/102分/日本

監督のことば

今年90歳を迎えられる信行さん、雅信さんに嬉しい知らせをお届けできて大変光栄に思います。本作は、信行さんのご自宅に寝泊まりさせていただきながら牛の世話や田んぼの畦作りなど、私たち自身も実際に体を動かしながら同じ時間を過ごしました。牛舎に響く雨音や出荷後のトラックの軽さなど、次第に村の暮らしが身体にも染み込んでいくような感覚があり、それを大切に制作しました。自主制作のため 4 年かかってしまいましたが...信行さん現役最後の年を記録した貴重なものとなりました。あか牛や阿蘇の未来へとつながっていくきっかけとなれば幸いです。

監督プロフィール

  • 小林瞬、中村朱里

    夫婦で監督・撮影・編集を共同で手がける。映画『村で生きる』で農業ジャーナリスト賞を受賞。Yahoo!ニュース エキスパート認定クリエイター。

    小林瞬
    東京生まれ。法政大学卒業。テレビマンユニオンに参加し、NHK 番組をはじめドキュメンタリーを中心に社会や文化を見つめてきた。

    中村朱里
    大阪生まれ。京都精華大学卒業。ドイツ・カッセル大学に留学し映像表現を学ぶ。食や風土をテーマに全国各地を取材。生産者や料理人たちの営みと苦悩に耳を傾けてきた。

  • エトノスシネマ