上映作品
短編人生の夕暮れに 上映時間76分
12月9日(火)10:00/12月15日(月)12:00
親族の老いや認知症など、にわかに受け入れ難い現実に、映像作家はどう向き合うのか。入院中の夫と離れ、一人で暮らす祖母の暮らしを静かにみつめた『春一番』。親しみを崩さず、祖母への愛が画面から溢れる『ばあば』。認知の進行に戸惑いながらも、1年にわたり母の姿を美しくカメラに収めた『夕日に舞う』。三者三様の記録。
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作品1
春一番 上映時間18分
かつて家族と暮らした家に、今は一人で住む祖母。
彼女は病院にいる夫との面会を待ち続けます。
しかし面会の日、コロナウイルス対策のために張られたビニールカーテンが、二人を隔てます。
限られた時間は淡々と流れ、季節は巡る。
やがて再び風が吹き、新たな春の到来を告げます。2024年/18分/日本
監督のことば
移りゆく時代の流れ、その狭間で終えていく人生。遠ざかっていく過去を忘れないためにも、コロナ禍における私の祖父母の最後の時間を映像として残すことに個人的、また社会的に意義を感じました。 誰もが迎える人生の晩年について、優しく吹いた風のように皆さまの心に届けば幸いです。
監督プロフィール

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赤川純
東京都生まれ。ポーランド国立ウッチ映画大学に在籍し、ドキュメンタリー、フィクション映画の制作に取り組む。
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作品2
ばあば 上映時間28分
幼い頃、厳格な祖母は私にとって恐れる存在だった。時計が読めないこと、日誌にジュースをこぼすこと、その一つ一つを厳しく叱られた。そして祖母が作るおはぎは、どのお店のものよりも美味しい。 しかし、久々の帰省で再会した祖母にかつての面影はなかった。5分前のことが思い出せない。昔の自分のあだ名を繰り返し言う。 そんな【記憶】ができない祖母を、馬鹿で無鉄砲な孫が【記録】した。1年間の記○。それは確かに愛。
2025年/28分/日本
監督のことば
【記憶】と【記録】は重力と引力のような、S極とN極のような、遠くにありながら相互に響き合うものだ。 『昔の映像を見て、当時の記憶が蘇る』『シャッターを切ったことで、その瞬間が鮮明に頭に残る』といったことがあるように… 私たちは、記録によって記憶を作り、記憶によって記録を感じ取っている。 だからこそ人は完璧に作られた物語より、ホームビデオの一瞬に心動かされるし、私は日々にカメラを向けることを辞められない。
監督プロフィール

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伊藤佑里香
13歳で自主映画を作り始める。ホームビデオを片手に校内を徘徊していたので学校でちょっと浮く。18歳でフジテレビ主催のシナリオコンペで優勝し、受賞作が同局で映像化。監督も務める。結構調子にのる。調子にのったまま長岡造形大学に進学。色々挫折。けど制作を辞めることはなく、今は謙虚に制作会社でひよっ子PM。
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作品3
夕日に舞う 上映時間30分
だんだんと足が遠のいてしまった実家。いつの間にか少なくなった、母との会話。
気づかないうちに、母はすこしづつ変わっていた。
とまどいながらもカメラをまわし続けた、1年半の記録。2025年/30分/日本
監督のことば
認知症とパーキンソン病を併発した母。
そこに何か意味を見つけたくて、カメラを向けました。
見つかったのかは、今も正直わかりません。でも、記録とは、記憶とは、老いるとは、母は様々な問いを僕に投げかけてくれた気がしています。
監督プロフィール

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仲村淳
日本大学芸術学部卒。 映像ディレクター。
監督作 「23通のありふれたラブレター」 東京ドキュメンタリー映画祭2024 短編部門 準グランプリ受賞。中之島映画祭2024優秀作品 横濱IFF2023ドキュメンタリー部門優秀作品 監督作 「LIFE GOES ON」 横濱IFF2022 ドキュメンタリー部門優秀作品










