東京ドキュメンタリー映画祭2022
東京ドキュメンタリー映画祭上映作品 > 人類学・民俗映像B

上映作品

人類学・民俗映像人類学・民俗映像B 上映時間79分

12月11 日(木)10:00/12月17日(水)14:10

ケニアで約20年に一度行われる、マサイ族の成人戦士への通過儀礼「エノウト」と、カナダ・アルバータ州で行われる、ネイティブアメリカンの伝統的な祭り「パウワウ」をそれぞれ記録した作品。儀礼に挑む若者の繊細な表情や、祭り自体が持つエネルギーをとらえた多様で迫力あるカメラワークは、スクリーンに映えること間違いなし。

  • マサイ・エノウト
    マサイ・エノウト
  • 作品1

    マサイ・エノウト 上映時間34分

    ケニアに住む先住民・マサイ族の男たちにとって、最も重要な成人戦士への通過儀礼である「エノウト」。2022年、約20年ぶりに行われた「エノウト」を、圧巻のカメラワークで記録する。部族の伝統が消えゆくなか、アフリカでも最も重要な通過儀礼と言われている「エノウト」を、過去の写真と、新たに撮影した長老や青年戦士たちの豊かな表情を重ね、マサイ族の男性が、ひとりの兵士として昇進していく過程を、歴史を意識させながら見せてゆく。

    2025年/34分/ケニア

監督のことば

2022年に撮影された本作の未公開映像は、1970年からマサイ族を記録してきた著名な写真家、アンジェラ・フィッシャーとキャロル・ベックウィズによる、50年にわたるエノウトの、象徴的な静止画と対比されています。これらの写真は、不滅のように思われながらも、近代化の圧力によって急速に衰退しつつある文化に、歴史的な深みを与えています。 「マサイ・ユーノト」は、アフリカの伝統の重要性、特異な文化の洗練、そして通過儀礼を強いられる3人の若者の感情を描き出します。彼らは不屈の精神と受容をもって、自らの文化の価値観に従い、長老たちの指導のもと、伝統的な共同体の中で自分の居場所を見つけていきます。観客は彼らの目を通して、共同体の価値観と愛と土地に根ざしている文化の深み、尊厳、回復力を体感します。

監督プロフィール

  • キレ・ゴダール(Kire Godal)
  • キレ・ゴダール(Kire Godal)

    ケニアを拠点に活動する映像作家。これまで彼女は27年間アフリカの人々、野生生物、環境に関する数十本の映画を制作し、ナショナルジオグラフィック、BBC、ディスカバリー、 Amazon Prime、世界中の美術館、劇場などに提供してきた。

  • 作品2

    天幕の下で 上映時間45分

    自身もカナダ先住民エノック・クリー族の出自を持つ監督による、ネイティブアメリカンの伝統的な祭り「パウワウ」を催す人々のひと夏を記録したドキュメンタリー。楽屋からダンスコンテスト、家族向けのキャンプ場まで、パウワウの生きた文化を現代に伝えようとする人々の舞台裏を、ユーモアや心温まる人間描写、そして映像美で捉えていく。先住民のアイデンティティと回復力を称える本作は、伝統へのラブレターであると同時に、その進化の証でもある。

    2025年/45分/カナダ

監督のことば

『天幕の下で』は、パウワウの核心が、ダンサー、シンガー、そこで生きる家族たちによって語られる、親密で喜びに満ちた作品です。アルバータ州の先住民居住地域でひと夏をかけて撮影された本作は、魅力的な登場人物たちがパウワウに向けて準備し、競い合い、そして振り返る姿を追っています。息を呑むような映像、ユーモア、そして心温まる物語で、アリーナの熱気とその合間の静かなひとときを捉え、羽根飾りやフットワークの背後にある、深い文化的なルーツと個人の物語を描き出します。先住民のアイデンティティ、世代を超えた知識、そしてアーバー(テント)の下で共に過ごす喜びを称えました。

監督プロフィール

  • ハーレー・モーリン(Hayley Morin)
  • ハーレー・モーリン(Hayley Morin)

    カナダ先住民エノック・クリー族にルーツを持つ。幼い頃から先住民文化に触れて育つが、ダンスはせず映像の世界に。本作が長編デビュー作となる。

  • エトノスシネマ