東京ドキュメンタリー映画祭2022

上映作品

特集台湾記録片C 上映時間90分

12月19日(金)14:20

近年、台湾各地に開業している独立系書店15店を訪ね、個性あふれる店舗の様子や人間模様を詩的に描いたオムニバス・ドキュメンタリー。街角、山、海辺など、様々な場所に書店をつくる経営者や、そこに立ち寄り、本を求める人々の周りにある、豊かで安らかな時間と空間を、カメラはそのまま、包むように記録する。

  • ポエトリーズ・フロム・ザ・ブックストアズ
    ポエトリーズ・フロム・ザ・ブックストアズ
  • ポエトリーズ・フロム・ザ・ブックストアズ 上映時間90分

    書店はそれぞれ、独自の詩的な風景を織り成している。古書を修復する優しい手、客を薬草採集へと案内する店主、読書を通して山を守る環境活動家、地元の記憶を保存する漁村の女性…。2016年の東京国際映画祭で『四十年』が上映された侯季然監督が、台湾の15軒の独立系書店を、親密な語りと叙情的な映像で捉え、薄れゆく物語と静かな文化的回復力として描いた最新作。


    原題:書店裡的影像詩:停駐與穿越
    (Poetries from the Bookstores: Somewhere I Belong)

    2025年/90分/台湾

監督のことば

本は絶滅危惧種であり、書店は古い霊魂が集まる場所です。未来へと逆行する書店主たちは、ベンヤミンが言う、時間の「新しい天使」です。台湾各地の小さな書店で、私達は時間の断片と書物の精霊を捉えました。はじめは書店を撮影しているつもりでしたが、実際にはそこにいる人々を撮影していることに気づきました。そして、私たちを惹きつけていたのが、人生の別の可能性なのだということを理解しました。書店で過ごす時間や、書店主達が目指す方向は、轟音を放つ「時代」という列車が過ぎた後に残された、宝のありかを示しています。

監督プロフィール

  • 侯季然(ホウ・チーラン)
  • 侯季然(ホウ・チーラン)

    台北を拠点とする映画監督・脚本家。時間と記憶というテーマを詩的に表現することで知られる。2004年に制作した短編ドキュメンタリー『My 747』が、香港のIFVAでアジアン・ニューフォース・グランプリを受賞。長編ドキュメンタリー『四十年』は、2016年の東京国際映画祭のアジアの未来部門に出品された。

  • エトノスシネマ